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鬼才キム・ギドク監督、オダギリジョーの大ファンだったと明かす【第56回サン・セバスチャン国際映画祭】

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交通事故のけがのため、ネット回線を使って会見をするギドク監督
交通事故のけがのため、ネット回線を使って会見をするギドク監督 - Photo:Harumi Nakayama

 韓国の鬼才キム・ギドク監督が交通事故に遭っていたことが現地時間26日、参加予定だった「第56回サン・セバスチャン国際映画祭」を通して発表された。

 書面で発表された内容によると、ギドク監督が事故にあったのはオダギリジョー主演の新作『悲夢』を撮り終えたばかりの今年2月。事故の詳細は明らかにされなかったが、ギドク監督の生命に関わるほどのケガはなく、右肩と首を負傷したという。しかし7か月経った今も痛みが取れず、韓国、スペイン間の長距離移動は困難と判断し、現地入りをキャンセルした。

 しかしギドク監督にとって同映画祭は、『春夏秋冬そして春』で観客賞を、『うつせみ』で国際批評家連盟賞を受賞している想い出の地。『悲夢』もワールドプレミア上映であることから、韓国のギドク監督とネット回線をつないで、カメラを通して記者会見に参加した。

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 トレードマークとなった黒のキャップとTシャツ姿でカメラの前に現れたギドク監督は「その場にうかがえなくて本当に申し訳ありません」とまずあいさつ。ケガの具合は良くなっていると笑顔を見せながら説明したが、時折、右肩が痛むのか、会見中に何度か右肩をマッサージする仕草を見せていた。

 映画は、主人公Jin(オダギリ)の見る悪夢を、なぜか夢遊病者のRan(イ・ナヨン)が実行していくという不思議な出会いをした二人による切ないラブストーリー。皮肉にも映画冒頭は、Jinが交通事故の夢を見るシーンから始まっている。

 オダギリを主演に起用した理由について、ギドク監督は「わたしはオダギリジョーの大ファンだった。確かに言葉の問題はあったが、わたしは彼の仕事に非常に満足している」と説明。劇中でオダギリは日本語、他の韓国俳優は韓国語で芝居をするという大胆な演出をしている。(取材・文:中山治美)

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