スティーヴ・マックィーン監督、話題集中のデビュー作『ハンガー』上映【第52回ロンドン映画祭】

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Google +1
  • ツイート
  • シェア
名前は確かに同じだけどね……-スティーヴ・マックィーン監督

 10月19日(現地時間)、カンヌでのカメラドール(監督新人賞)受賞はじめ、各国の映画祭で高い評価を得てきたスティーヴ・マックィーン監督の映画『ハンガー』(原題)の凱旋(がいせん)帰国上映となるイギリスプレミアが第52回ロンドン映画祭で開催された。

 本作は監獄でのハンガー・ストライキで27歳という若さで亡くなったIRAのボビー・サンズという実在した人物を描いたもの。映画監督としてはこれがデビュー作となるマックィーン監督だが、ダミアン・ハーストやトレイシー・エミンといったアート界の寵児を世に送り出してきたターナー賞も受賞しているビジュアル・アーティストだ。醜悪な監獄が舞台となる本作でも映像美を見せている。サンズの事件は、当時11、2歳だった監督に忘れがたい印象を残し、今回の映画化に至ったという。元囚人たちへの取材などリサーチを重ね、悪名高いメイズ刑務所Hブロックの看守と囚人両方にとっての地獄の様相に迫ることで、サンズを浮かび上がらせている。むしろ淡々と描かれるサンズの最後で終わる本作は、観終わった後の観客を深い思いにさせる力を持っている。

 大きな体で、まくしたてるように話すマックィーン監督は、とてもエネルギッシュな印象だ。映画のテーマについて「ピュアな人間ドラマとして観てほしい。扇動したり、主義主張を押し付ける気はない。ただ観て感じてほしい」と語った。

 イギリス、特にアイルランドでは記憶から消し去りがたい人物となっているサンズの映画を作るにあたって、マックィーン監督はアイルランド出身の俳優を集め、アイルランドで撮影を行っている。サンズを演じるマイケル・ファスベンダーも、生まれはドイツだがアイルランドで育ち、イギリスではアイリッシュ俳優として知られている。顔見知りらしいアイルランド地元紙の記者と握手を交わし、その記者が恐ろしいほどにやせ細っての演技を見せたマイケルを気遣うと「サンズは死んでしまったけれど、僕はこうしてここにいるから大丈夫だよ」と作品中ではお目にかかることのできなかった魅力的な笑顔を見せていた。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

[PR]

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Google +1
  • ツイート
  • シェア

楽天市場

[PR]