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ガス・ヴァン・サントが監督作『ミルク』を語る!「いずれ同性愛の大統領が誕生すると思う」

ガス・ヴァン・サントが監督作『ミルク』を語る!「いずれ同性愛の大統領が誕生すると思う」
ガス・ヴァン・サント監督

 ショーン・ペンが、アカデミー賞主演男優賞を受賞した映画『ミルク』の監督を務めたガス・ヴァン・サント監督に話を聞いた。本作は、アメリカでゲイであることをカミングアウトして、初めて公職に就いた政治家ハーヴェイ・ミルクの激動の人生を描いた作品。ちなみに本作でサント監督は、アカデミー賞監督賞にノミネートされた。

Q:『ミルク』で規模の大きな映画に戻ることになり、あまり特徴的な映像スタイルでの撮影はなさらなかったのでは?

そうだね。僕にとって、ショーン・コネリー主演の『小説家を見つけたら』以来、一番大きな映画になるね。『ミルク』の脚本とシーンの書かれ方、物語の構成、シーンの意図、ストーリーの組み立て方やリズムといったものが、より伝統的なスタイルというものを示唆してくれたんだ。

Q:この映画は適切な時期に世に出たと思われますか?

ああ、今年は選挙年ということもあって、非常にいいタイミングだったと思う。これは本当に素晴しい物語だ。まあ、恐らくいつでもいいタイミングだと思うけどね。

Q:世界中の人々が、自分たちの生きているうちにアフリカ系アメリカ人の大統領を見ることになりました。今度は、公然と同性愛であることを認めている大統領を見ることがあると思いますか?

ああ、そうなると思うよ。(もし生きていたら)ミルクはいい大統領になったと思うね。

Q:ゲイであることを公表しているメジャーな俳優はほとんどいませんが、そうに違いないという人は何人かいます。なぜ彼らは隠しているのでしょうか?

ほとんどの映画がたくさんの観客に向けてのものだからだと思うね。もし、観客の80パーセントが異性愛者だったら、異性愛者のラブストーリーを作りたいと思うのが普通だ。それは観客が求めるからね。それが商売というものなんだよ。もし俳優たちがその商業的側面に利するように行動しなかったら、そのキャリアは阻まれてしまったりするかもしれない。少なくともアメリカでは。ほかの国々では同じである必要はないかもしれないが

Q:ルパート・エヴェレットは、カミングアウトしているから『007』シリーズに出られなかったかもしれないといううわさがありますが…。

彼が言ってるの?

Q:どうやら……。

じゃあ、彼がいい例だね。彼は公表しているメジャーなゲイの俳優の一人だからだ。まあ、ジェームズ・ボンドは女たらしだから、コンセプトに合わないのかも。でも、このことは議論される必要があると思う。もし、ゲイであることを公表していることが普通のことだったら、彼らをキャスティングしても問題がない。そういう状況になりつつある兆しはゆっくりとだがある。ラスベガスがまさにそうなってきてる。ギャンブル業界では「彼がゲイだからルパートをキャスティングできない。そんなことは通用しない」というようなことを基に、賭けが成立するようになってきているからね。

Q:しかし、あなたはショーンにゲイであることを公表している登場人物を演じてくれと頼むという、いわば正反対のことをしました。

そうだね。でも、問題はこの映画に合うゲイであることを公表している俳優がいなかったということだと思う。ルパートもアラン・カミングも選択肢にはあった。アランは、しっかりとミルクを演じることができたと思う。でも大事なことは、主演俳優が金を持った人々をつかまえて、そのギャンブル本能を刺激させなければならないということなんだ。そういう人々はアランに自分たちの2,000万ドル(約20億円)を投じたいとは思わない。彼が主演を務めることによって、大ヒットすると思えるような映画を今までにやったことがないからだ。だから、ゲイであることを公表していないとか、ゲイではないということを除いても、Aクラスの俳優の中にそれほど選択肢は残されていなかった。

Q:ショーンとの仕事は、どうでしたか?

僕はこれまでショーンと一緒に仕事をしたことがなかったが、彼の仕事ぶりは十分に承知していた。協力は互いの仕事に対しての相互に尊敬する気持ちに基づくものだったと思う。僕らはディスカッションだけで、やり遂げられると感じた。彼が言っていることに耳を傾け、僕が言うことを彼は聞いてくれたんだ。

Q:『ミルク』で俳優たちに登場人物たちの癖を実感できるように、実在の人々のフッテージを見て学習することを奨励しましたか?

多分そうしたと思うよ。でも、それぞれのキャラクターは演じる者の独自の解釈だったけどね。ジェームズ・フランコが演じたスコットのフッテージがあったし、ミルクのフッテージ、さらにはエミール・ハーシュが演じたクリーヴのフッテージもたくさんあった。さらに実際のクリーヴがアドバイザーとなってくれたんだ。そしてアリソン・ピルが演じたアンにも実際のアンがいて、彼女のフッテージもあった。だから、全員に良い基準となるものがあったと思う。純粋な解釈が必要なものは何もなかった。ちゃんとした基本となるものがあったからね。

Q:何がショーンをあのような素晴しい俳優にしていると思いますか?

うまく説明できるかどうかわからないな……何せとても神秘的な人だからね。マーロン・ブランドやジャック・ニコルソン、そしてハンフリー・ボガートにあるのと同じような才能と度量がある。それにショーンの場合には、恐らく偉大な俳優のすべてがそうなんだろうが、彼ら自身の個性からきているものがある。皆が承知しているように、ショーンは非常に傑出したキャラクターの持ち主だ。そして、彼はそれを自分が演じる役柄に盛り込むことができる。実生活での彼の大胆さのおかげということもあるし、それと同時に彼はアーティストでもあるから、その大胆さを自分の芸術にも用いることができると思うよ。

映画『ミルク』は4月18日よりシネマライズ、シネカノン有楽町2丁目、新宿バルト9ほかにて全国公開


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