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カンヌ史上初のアニメのオープニングはディズニーの3D映画!

第62回カンヌ国際映画祭

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受付で3Dメガネを受け取る観客たち
受付で3Dメガネを受け取る観客たち

 第62回カンヌ国際映画祭が現地時間13日、オープニング映画『カールじいさんの空飛ぶ家』(日本公開は12月)で幕を開けた。

映画『カールじいさんの空飛ぶ家』

 同映画祭で3Dアニメがオープニング上映されたのは、初めて。タキシードやイブニングドレスで着飾った紳士淑女が3Dメガネをかけて映画を楽しむという、ユニークな光景が実現した。同作品のエグゼクティブプロデューサーで、ウォルト・ディズニー/ピクサー・アニメーション・スタジオのチーフ・クリエーティブ・オフィサーであるジョン・ラセター氏は、「われわれが『トイ・ストーリー』で世界初のCGアニメを製作したのが1995年。そして映画監督が目指す、カンヌという世界最高のステージで、しかもオープニング作品として今日上映されることになるなんて誇りに思う」と喜びを語った。

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 同作品は、映画『モンスターズ・インク』のピート・ドクター監督と、映画『ファインディング・ニモ』のボブ・ピーターソンが脚本を務めたピクサー映画初の3D立体映画。78歳のカールじいさんが亡き妻との夢であった冒険の旅に出るのだが、それが、家に大量の風船を取り付けて空を飛ぶという大胆な移動手段。さらに、予期せぬ相棒・8歳のラッセルまで付いて来て、たどり着いた南米で思わぬ展開が待ち受けているという、愛と笑いに満ちたファンタジーに仕上がった。
 
 オープニング上映前に行われた記者会見では、ピート監督らに「あなた自身が夢の冒険に出掛けるなら、どこへ行きますか?」との質問が飛んだ。しかし、脚本完成に3年、アニメーション制作に2年の計5年間を費やした監督たちは「家族と一緒に過ごせる時間があれば」「携帯電話も、ストーリーボードとも無縁の場所に行きたい」など、超現実的な回答を連発し、本作品に懸けた苦労をにじませた。

 また、ベルギーの記者からは「宮崎駿作品から受けた影響は?」という質問も飛び出した。この質問に関しては、宮崎監督の映画『千と千尋の神隠し』の全米公開に尽力し、20年以上の親友であるジョンが答え、「わたしは『ルパン三世 カリオストロの城』からの宮崎アニメの大ファンで、受けた影響は計り知れない。キャラクターに焦点を絞り、物語が進むにつれて、より力強く、エネルギッシュになっていくところを参考にしているよ。特に今回は、宮崎アニメが持つ“静寂の瞬間”を作品に取り入れたんだ」と熱く語った。

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 さらに、未来のアニメ界について尋ねられたジョンは、技術の進歩により、より美しい映像が可能になったことを述べつつ、「技術は、アップルのコンピュータのように3年から5年でその価値は下がってしまうけれど、いい作品を作れば映画は永遠に残ると思う」と技術ではなく心に訴える作品作りをしていく大切さを力説。その言葉が示す通り、今年12月には時代と逆行するかのような、手書きアニメーション「The Princess and the Frog」を公開することもしっかりアピールしていた。(取材・文:中山治美)

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