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ありえない…自由な恋をするパレスチナ未亡人!巨匠エラン・リクリス監督が語る

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エラン・リクリス監督
エラン・リクリス監督 - Photo:Nobuhiro Hosoki

 映画『シリアの花嫁』でモントリオール世界映画祭グランプリを受賞したエラン・リクリス監督が、新作映画『Lemon Tree(レモン・ツリー)』(英題)について語ってくれた。 

映画『シリアの花嫁』

 本作は、パレスチナの国境付近でレモンの木を育てていた未亡人サルマ(ヒアム・アッバス)が、ある日反対側のイスラエルの国境に引っ越してきたイスラエル国防大使(ドロン・タヴォリー)から、レモンの木を切り倒すように命じられる。しかし納得のいかないサルマは、裁判で戦おうと決意をする。実話を基にした作品で、ベルリン国際映画祭でもパノラマ観客賞を受賞した秀作だ。

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 イスラエルを代表する女優ヒアムとは、『シリアの花嫁』でも仕事をしている。前作と差別化を図るために、キャラクターを生み出す上で気を付けた点はあるのだろうか? 「映画にとって、重要だという点では変わりがないと思うね(笑)。主人公は感情の起伏が激しく、心理的な深さもだいぶ違う。一番のチャレンジは、ステレオタイプのパレスチナ人女性像を打ち壊すことだった。サルマは決して教養のある女性ではないが、未亡人であっても内に秘めたエネルギーを持っている。周りから否定されようと2回目の恋を選択し、さらにレモンの木の問題で最高裁まで戦おうとするガッツがあるんだよ。われわれが思い描くパレスチナの女性とはだいぶ違うだろう?」と話してくれた。ちなみにエラン監督によると、パレスチナ人の未亡人は、周りの批判を受けずに、恋をしたり、再婚したりするのは難しいそうだ。

 『シリアの花嫁』や本作の成功で、アメリカからオファーはないのだろうか? 「アメリカにエージェントはいるが、これからどうなるかはわからないね。もしアメリカで映画製作をするならば、この地に腰をすえないとね。少年時代はアメリカで過ごしていたから、アメリカで映画を作ろうと思えばできないことはないよ。だたし、すべては脚本次第さ」とのことだ。ちょっとこわもての雰囲気があるエラン監督。だが、実際に話してみると性格的に穏やかで、優しい人柄であるとわかった。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)

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