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安藤モモ子監督にイギリスメディアも大注目!初監督映画『カケラ』が日英同時公開の快挙!ロンドン・プレイベント

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「ほんと、しみじみ、やっと、ここまで来れました……」-安藤モモ子監督
「ほんと、しみじみ、やっと、ここまで来れました……」-安藤モモ子監督 - Photo:Yukari Yamaguchi

 日英同時公開となる初監督映画『カケラ』のロンドンでのプレイベントのため、安藤モモ子監督が渡英した。イギリスのメディアからも注目を集め、到着早々から取材をこなす安藤監督は、現地時間3月27日夜開催のイベントを数時間後に控えたインタビュー時に、その感激をしみじみと語った。

映画『カケラ』

 先行上映会と質疑応答が行われるインスティテュート・オブ・コンテンポラリー・アーツ(以下ICA)は、さまざまな新しい映画、アートを紹介してきた場所だ。学生時代の8年をロンドンで過ごした安藤監督にとって、よく通ったあこがれの場所だという。そのICAでの上映は「ほんと、しみじみ、やっと、ここまで来れました……というような、演歌みたいな感じです。もう、八代亜紀とか、かかっちゃいそう。いろいろ思い出します。ユーロスペース(日本での公開場所)での上映は、イエイ、ロックだぜという感じなんですが」と日英逆転したような思いを抱いて、これまで来た道を振り返っているようだ。28歳とまだ若い監督だが、青春のすべてを注ぎ込んだというデビュー作で戻ったロンドン、ICAに、感慨もひとしおなのだろう。

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 女性同士の恋愛感情も描かれている本作だが、「レズビアン映画を作りたかったわけではないです。レズビアン映画とカテゴライズすること自体が差別であるとも思いますし。男とか女とかの前に人間であるというところで、あえて女同士としました」と話す。女性同士のセックスシーンを入れずに、観客の想像力にまかせることで、より多くの人に観てもらえるようにしたという。そのほかにも想像力を刺激するシーンがちりばめられている本作、イギリスの取材記者たちが、宗教観なども交え、それぞれに深く解釈しているのが興味深かったとも言う安藤監督が、日英同時公開という経験から得るものも多そうだ。

 読み解く楽しさもある本作だが、難解な映画にはなっていない。登場キャラクターたちの、学生として、若い勤め人の女性としての生活感ある日常が丁寧に描かれていることで、キャラクターに近い視点で観ていける。頭で作るより、日々暮らしていく中で感じたことが、自分の中で消化され、作品となるタイプだと自らを分析する安藤監督は、「2、3年かけてやることを20日位の間にやるようだ」と初監督経験の苦しさ、大変さを話す一方で、もう監督業初日から、この仕事を一生続けていきたいと思ったとも言う。「葬ってしまいたいことを、一度きちっと思い出すことで、初めて終わらせて、次に進むことができる」と語る安藤監督に、作品を生み出す人の性(さが)を見る気がした。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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