未完成のナチス映画を追ったドキュメンタリー映画!当時のユダヤ人はこんな生活をしていた?

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ヤエル・ヘルサンスキ監督 - Photo-Nobuhiro Hosoki

 今年のサンダンス映画祭でドキュメンタリー編集賞を受賞し、話題を集めたドキュメンタリー映画『ア・フィルム・アンフィニッシュト / A Film Unfinished』(原題)について、ヤエル・ヘルサンスキ監督が語ってくれた。

ナチスを題材にした映画『イングロリアス・バスターズ』場面写真

 本作は、1942年にナチスによってワルシャワのユダヤ人居住区(ゲットー)で撮影されたプロパガンダ映画を基にしたドキュメンタリー。このプロパガンダ映画はゲットーで暮らすユダヤ人の日常生活を追ったもので、1954年に未完成の状態のまま部分的に発見された。それらの映像は現在に至るまで貴重な資料として扱われているが、後年、残りの部分が発見されると、ヘルサンスキ監督は専門家の助けを借りながら、発見された映画フィルムにできるだけ手を加えないように、未完成の映画を完成に近づけた。

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 ヘルサンスキ監督は、この映像に残っているユダヤ人の生活について「裕福なユダヤ人が普通の暮らしをしている一方で、貧しいユダヤ人が道端で死体となっているという両極端な状態だったわ」と細かく描写すると、それらがなぜプロパガンダ映画として撮影されたのかについては、「徐々に死んでいく貧乏なユダヤ人を見せることで、金持ちのユダヤ人の無力さを証明して、ユダヤ人が無能であることをナチスは描きたかったのかもしれない」と説明してくれた。

 この当時のプロパガンダ映画を再現した映画がR指定(子どもは親同伴でないと観ることができない)になったことについては、「指定を受けたときには抗議したけれど、結局変更されなかったわ。ただ、自分で観たいと決意のできる高校生が、親なしで観ることができないのが非常に残念ね」と教育的なメッセージが含まれているにもかかわらず指定を受けたことに対して、不満があるようだった。

 本作は、これまでナチスの悲惨な大量虐殺の映像を観てきた人たちは、新たなアングルから当時のユダヤ人の生活を見つめることになるかもしれない。だが、映像の中で生きていたほとんどの人が殺されていってしまったという、過酷な現実は忘れてはいけないということを突き付けられるドキュメンタリー映画だ。(取材・文:細木信宏 Nobuhiro Hosoki)

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