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摂食障害の妻とそれを治そうとする夫!イギリス・レインダンス映画祭で山岡大祐監督『ロストガール』プレミア!

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『ロストガール』の山岡大祐監督
『ロストガール』の山岡大祐監督 - Photo:Yukari Yamaguchi

 現地時間10月3日夜、ロンドンで開催中の第18回レインダンス映画祭で『ロストガール』のイギリス・プレミアが開催された。質疑応答終了後の山岡大祐監督に話を聞いた。

 質疑応答に登場するなり、通訳の男性と司会の女性の間で「ちょっと落ち着きます」と大きく深呼吸、観客を微笑ませた山岡監督だが、ひとたび質問が始ると、答えるごとに「答えになっていましたでしょうか?」と質問者に確認して終える丁寧さ。それぞれの質問者がしっかりとうなづく姿が印象的だった。

 本作は、摂食障害の妻と、それを治そうとする夫のストーリーとなっている。だが、30冊ほどの本を読み込んでリサーチしたという監督は、摂食障害にはこだわらず、むしろ夫婦の関係を描くことに重点を置いた。摂食障害でなくてもアルコールや薬の中毒でも、何かにすがっている人を描きたかったと話す。

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 出番を終えた山岡監督は「いつも始る前はワクワクするんですけど、いざとなるとあがっちゃうんですよ」と笑う。妻の状態ばかりか、関係も危うくなっている夫婦が迎える結末は、意外なものだ。その結末について監督は「取替え可能だったということです。自分をその位置に置いてくれるような人であれば誰でもよかった」とドライでシニカルな視点を見せた。

 次作となる『朝日ヶ丘の素晴らしき人々』(仮題)はサンダンス・NHK国際映像作家賞2010グランプリを受賞している。アメリカのサンダンス映画祭を主催するサンダンス・インスティテュートが、アメリカ、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、日本の4地域それぞれで、映画制作予定の脚本に対して贈る賞だ。過去には『モーターサイクル・ダイアリーズ』も受賞している。受賞により予算が多く使えるようになったことで、より質の高いものが作れると喜ぶ山岡監督が「ロバート・アルトマン監督の『ショート・カッツ』やポール・トーマス・アンダーソン監督の『マグノリア』のような群像劇」と説明する次作で、今度はどんな視点を見せてくれるか楽しみだ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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