放射能汚染地域で生活する人々 放射性物質ゼロの泉 チェルノブイリの爪痕描く映画が公開

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汚染地域で暮らす少女ナージャ『ナージャの村』より

 23日からポレポレ東中野で行われる特集上映「25年目のチェルノブイリ」で上映される17本の映画の中に、チェルノブイリ原子力発電所事故で放射能汚染を受けた土地に今も住み続ける人々の生活を描く作品が含まれている。

 原発史上最悪の事故といわれたチェルノブイリ原子力発電所事故は、1986年に発生してから今年で25年の時が流れている。しかし、現在も半径30キロメートル以内の地域では居住が禁止されるなど事故は終息していない。本特集で上映される『ナージャの村』『アレクセイと泉』はいずれもドキュメンタリーで、事実を映し出している。どちらも監督はカメラマンの本橋成一が務めており映像の美しさが光る作品だ。

 この二つの作品の舞台はベラルーシ。ベラルーシはウクライナの風下にあり、最も放射能の汚染を受けた地域だ。『ナージャの村』の舞台ドゥヂチ村は政府の立ち退き命令で地図から消えてしまった村。1997年に製作された『ナージャの村』にはかつて300世帯が住んでいたが、映画撮影時は6世帯15人が暮らすのみ。この映画は8歳のナージャとその家族と村人たちを中心に描かれている。彼らは汚染されていることを知りながらも、自給自足で大地とともに豊かな営みを続ける。リスクを知りながらこの地に住み続ける老人は「人間が汚した土地だから人間が逃げ出すわけにはいかない」と語り村で暮らし続ける。地元で生きて地元で命を終えるという覚悟と他の土地へ移ることのできない悲しさが交錯する。美しい四季の移り変わりが描かれるとともに、そこに目に見えない放射能汚染が広がっていることの恐怖は一度観ただけでは感じないかもしれない。

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 そして『ナージャの村』から5年後の2002年に製作された『アレクセイと泉』も自然の偉大に驚かされる作品だ。本作の舞台ベラルーシ、ブジシチェ村はやはり放射能汚染で強制移住地区に入っている。しかし村にある泉はなぜか放射性物質がゼロ、まったく検出されないのだ。村人たちは、その理由を100年前のわき水でできた泉であることが理由だと説明する。その検証は劇中ではされないが(泉の水が放射性物質不検出は事実)、もしそれが事実だとすると100年間、人間が進んできた道とはいったい何だったのか。人間の求めていた豊かさとは何だったのか。美しい景色がもの言わずそう語りかけてくる。この二つの作品はベルリン映画祭をはじめ多くの海外映画祭に招待されており、多くの賞を受賞、世界で絶賛されている。(編集部・下村麻美)

『アレクセイと泉』4月23日(土) 14:20の回上映後 ゲスト:本橋成一(本作監督)ティーチイン
『ナージャの村』上映後4月24日(日) 19:00の回 ゲスト:本橋成一(本作監督)ティーチイン
(上記は予定のためオフィシャルサイトにて要確認)いずれもポレポレ東中野にて上映

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