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原発への関心の高さ明らかに 緊急公開『100,000年後の安全』全国へ公開広がる

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映画『100,000年後の安全』より
映画『100,000年後の安全』より

 原発から発生する高レベル放射性廃棄物にスポットを当てたドキュメンタリー映画『100,000年後の安全』が、1館での緊急公開から始まり、58館まで広がりを見せていることがわかった。(5月20日17時現在、一部終了含む)

映画『100,000年後の安全』作品情報

 もともと今秋に公開される予定だった『100,000年後の安全』は、フィンランドのオルキルオトに建設中の高レベル放射性廃棄物最終処分場に、世界で初めてカメラが潜入したドキュメンタリー映画。一般的にはあまり知られていないが、原発により発生する放射性廃棄物の放射能レベルが生物にとって無害になるまでに、最低でも10万年かかるといわれている。そしてフィンランドでは、永久地層処分場の建設が世界で初めて決定され、その施設にカメラが迫る。

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 福島原子力発電所の事故を受けて、われわれ日本人の原発に対する思いや意識は変化しつつある。しかし、本作では安全になるまで10万年もかかるという放射能や原子力発電の根底にある問題をまざまざと見せつける。配給元のアップリンクでは、急きょ4月2日より単館上映を決定したが、連日満席で札止めという事態が起こった。そして4月16日からは都内を含め横浜など、規模を拡大して上映してきたが、作品の話題性や観客の口コミ・ツイッターなどを使った情報配信により問い合わせが後を絶たず、現在、北海道から沖縄まで一部終了した劇場も含めて全国58館にまで広がった。

 そして、東京・渋谷のアップリンクでは、平日でも満席になるほど人々が本作を観に足を運んでいる。また観客層が20代から60代と幅広いことも特徴的だ。鑑賞後の感想では、「電力の3分の1を原発に頼っている日本人は、もっと後世について考えた上で原子力の可否を考えるべきだと強く感じた。それは政治家任せでなく、わたしたち一人一人が(20代男性)」という意見や、「『これ、現実なんだよなあ』と恐ろしくなりました」と30代の女性は率直な感想を述べ、「以前から思っていましたが(311震災前に原発の恐ろしさを知ったときから)なぜこんな処分に困るものを、人間が扱いきれない廃棄物の問題をクリアできない状態で原発稼動させてきたのか、怒りでいっぱいです」と思いをあらわにした。

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 「1人でも多くの人に今すぐにある危機を理解していただきたい」と語ったのは50代の女性。「もしも数十年後FUKUSHIMAの放射能漏れを止めることができたとしても、さらに多くの危険があることを知ってもらいたい」と人ごとでは済まされない問題だと提起した。くしくも注目が高まる結果となった本作だが、日本の未来を考えること自体が被災地復興に大きな力をもたらすことになるようにと願いたい。(編集部・小松芙未)

映画『100,000年後の安全』はアップリンクほかで公開中、上映劇場はオフィシャルサイトで確認できる。

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