アカデミー賞で電子投票制度がスタート　早ければ来年にも導入

　アカデミー賞に電子投票制度を導入する旨を通知した手紙が、映画芸術科学アカデミー（A.M.P.A.S）より約6,000名の同会員へ発送されたとニューヨーク・タイムズ紙が報じている。早ければ、同制度は来年の第84回アカデミー賞より導入される予定。アカデミー賞の直前に投票用紙を郵送するのは同賞の恒例行事だったが、今後はそれも見られなくなりそうだ。

　ニューヨーク・タイムズ紙によると、A.M.P.A.Sが電子投票制度開始を知らせる手紙を発送したのは先週のこと。早ければ来年に行われる第84回アカデミー賞から電子投票制度が導入されることが手紙の中で明らかにされており、現行の郵送のみで行われる投票は今年が最後となるかもしれない。A.M.P.A.Sのキンバリー・ラウシュ氏は、「いずれかの段階で電子投票が始まれば、現行の制度は廃止されるだろうね」と発言している。

　今回の同制度導入は、同紙によると、投票と集計の簡易化を目指したもので、さらにはアカデミー賞の開催時期の前倒しも視野に入れたものだという。同賞の開催は毎年2月末から3月はじめの時期が慣例となっているが、関係者からは賞レースが最も盛り上がっている2月中旬の開催を求める声も多く、郵送にかかる日数などを短縮することができる今回の導入はそれに応えた形だ。

　これまで同賞は、電子投票システムについては、ハッキングや電子機器に疎い高齢の会員を理由に導入を見送っていたと同紙は報じている。今回導入することになった直接の理由について、今のところA.M.P.A.S側はコメントを出していない。（編集部・福田麗）