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宮本信子&伊丹十三映画を支えた本多俊之、日本放送文化大賞など数々の受賞歴を誇る東海テレビドキュメンタリーを語り尽くす

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劇中、本多も「メロディーを感じる」と絶賛のナレーションを披露する宮本信子
劇中、本多も「メロディーを感じる」と絶賛のナレーションを披露する宮本信子

 3日、東中野のポレポレ坐で映画『青空どろぼう』の公開を記念して開催される「東海テレビドキュメンタリー特集」の前夜祭が行われ、女優の宮本信子とミュージシャンの本多俊之という、伊丹十三監督の映画を支えたツーショットが実現。二人が参加した東海テレビドキュメンタリーの魅力を語り尽くした。また、この日はほかに『青空どろぼう』の阿武野勝彦監督、撮影監督の塩屋久夫も出席した。

映画『青空どろぼう』場面写真

 戸塚ヨットスクールについて描いた映画『平成ジレンマ』をはじめ、東海テレビ制作のドキュメンタリーといえば、傑作ぞろいとの誉れが高く、ギャラクシー賞、日本放送文化大賞など数々の受賞歴を誇るなど、非常に高い評価を得ている。今回の特集ではそんな数々の傑作群の中から15作品を上映。中でも宮本がナレーションを務めた作品は「宮本信子ナレーションデラックス」と題され、「検事のふろしき」「裁判長のお弁当」「とうちゃんはエジソン」「いくさのかけら ~戦後六十年四つの物語~」の4本が上映されることになっている。

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 NHK大河ドラマ「天地人」で語りを務めたことがあるものの、基本的にナレーションを担当するのは東海テレビのドキュメンタリー作品だけと語る宮本。「何でわたしに声をかけたの?」とオファーの経緯を阿武野監督に尋ねると、「(宮本の初参加作品の)『とうちゃんはエジソン』に“信子夫人”という方が出てきたんで、信子夫人といえば……、ねえ」と身もふたもないコメントで観客を笑わせるが、「本当は(宮本が主演していた)伊丹作品が大好きなんです」と起用理由を語った。そこで本多が「宮本さんのナレーションにはメロディーを感じるんですよ。宮本さんはジャズ歌手でもあるからね」と宮本のナレーションを絶賛。ただ、自身にかかるプレッシャーも大きいようで「だからこそ、画面がすばらしくて、ナレーションも素晴らしい。そこに音楽をいれるのは緊張ですよ。それだけで成立しているものを壊しちゃいけないですから」とコメント。しかし阿武隈監督は「本多さんの音楽を映像にのせると(作品が)膨らむ、というような感じがあるんですよ」と本多とのコラボレーションが楽しくてたまらない様子だった。

 そして、トークはいつしか伊丹映画の音楽へ。本多は「伊丹さんはだいたいメロディーが2つか3つあればそれでオッケーな人なんです。だからそれが監督のイメージにぴったり合えばいいんですが、合わないときは大変でした。丸裸にされるまで絞り出されましたね」と伊丹監督との仕事を振り返った。その後、ピアノをバックに、サックスの生演奏ライブを行った本多は、宮本が見守る前で映画『マルサの女』のテーマソングを披露。そのリズミカルな旋律に会場は、一気に盛り上がりを見せた。

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 映画『青空どろぼう』は、1960年代から1970年代にかけて社会問題となった三重県四日市市の公害、四日市ぜんそくの記録を続けるある男性を取材したドキュメンタリー。阿武隈監督が「くしくも福島原発が透けて見えるような気がして、日本人は直近の歴史を克服できていないと感じさせられた。福島はどうするか、学ぶいい機会になると思う」と語る通り、奪われた日常を取り戻すために何をすればいいのかを考えさせる、まさに今観るべきドキュメンタリーとなっている。(取材・文:壬生智裕)

「東海テレビドキュメンタリー特集」は6月4日よりポレポレ東中野にて開催
映画『青空どろぼう』は6月18日よりポレポレ東中野にて公開

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