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名優・柄本明が意外な告白「自然に演じるなんて所詮、無理!」

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柄本明
柄本明

 昨年、『悪人』で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞した柄本明が、「自然に演じるなんて所詮(しょせん)、無理!」と演技への意外な姿勢を明かした。ここ数年、多くの話題作への出演が続き、日本映画界を代表する名バイプレイヤーとして活躍する柄本は、新作『神様のカルテ』でも櫻井翔演じる内科医の上司・貫田役で、味わい深い演技を見せている。日本の映画界から引く手あまたのはずだが、柄本からは意外なコメントが次々と飛び出した。

映画『神様のカルテ』場面写真

 「そんなに僕に仕事は来ないですよ(笑)。俳優って職業はフリーなので、常に潜在的に仕事を求めている。だから、来た仕事を受けているだけ。人間、どんな仕事でもやるときは頑張るでしょう? 別に俳優だからって特別じゃないんですよ」とひょうひょうと話す柄本。柄本の医師役といえば、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した『カンゾー先生』が思い浮かぶが、役柄に自分の過去を重ねることはないという。役づくりについて、「役へのアプローチはいろいろありますよ。でもね、結局、脚本なんですよ。与えられた本の中で、それぞれの俳優が考えればいいこと。書かれているセリフを言う仕事ですから。医師だからどう演じるってものはない。だってわれわれの仕事は不自然なことをしているんですよ。それを“自然に”というのが所詮(しょせん)、無理なんです。不自然さをバネにして、物語として立ち上がってくればいいんですけどね」と語ったが、ここまで素直に語る俳優も珍しい。この肩の力を抜いた取り組み方が、引く手あまたの秘密なのかもしれない。

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 自分が出演した映画についても、「だいたい観ないんです。自分が出ていると邪魔しちゃう気がしてね(笑)」と軽くいなす柄本だが、「でも映画館は好きで、三軒茶屋シネマや目黒シネマ、早稲田松竹なんかに、公開から時間がたった作品をふらっと観に行きますね」と映画好きであることは隠さない。「映画や演技が本当に何かを伝えられるなら、世界に戦争は起こらないよ。繰り返すけど、俳優が取り立てて素晴らしい職業ってことはない。だいたい食えないもの。やらない方がいいよ(笑)」と柄本の演技に対する姿勢は一貫している。

 しかし、そんな柄本も、本作でメガホンを取った深川栄洋監督の作品には、出演してみたいという思いがあったようだ。「深川監督の『60歳のラブレター』を観たとき、助監督経験が長い人が撮った作品だと思った。熟練の域というのかな……。それで今回、本人に会ったら、若い兄ちゃんなんで『アンタ撮ったの? あれ』って思わず聞いちゃった(笑)。深川監督は指示も的確で、面白い現場でしたね。頭の中でイメージがしっかり出来上がっているんです。映画の現場は……やっぱり楽しいですね」と最後は映画への愛、俳優でいることの幸せを、ちょっぴり照れくさそうに表現した。つかみどころがなく、妙に冷静なこのクセモノ俳優は、今後の日本映画をさらに面白くしていくことだろう。(取材・文:斉藤博昭)

映画『神様のカルテ』は8月27日全国公開

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