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フランスの人気俳優マチュー・アマルリックを直撃!映画界に入ったきっかけと監督業について語る!

フランスの人気俳優マチュー・アマルリックを直撃!映画界に入ったきっかけと監督業について語る!
監督としても評価の高いマチュー・アマルリック

 映画『ミュンヘン』や『007/慰めの報酬』に出演し、映画『潜水服は蝶の夢を見る』ではセザール主演男優賞を受賞して注目を集めたフランスの人気俳優マチュー・アマルリックが、単独取材でテレビ映画「ザ・スクリーン・イリュージョン(英題)/ The Screen Illusion」と、映画界に入るきっかけについて語った。

 同作は、父親が10年間消息を絶っていた息子を探し出し、その息子との失われた時間を埋めることを試みていくというドラマ作品で、17世紀のフランスの劇作家ピエール・コルネイユの舞台劇を現代風に映像化した作品。映画内では、原作の洞窟の設定がホテルとなり、魔法使いの設定が、ホテルのコンシェルジュに様変わりしている点などが注目だ。

 まず、マチュー・アマルリックが映画界に入った経緯についてたずねると、「グルジア共和国(旧ソビエト連邦の構成国の一つで、1991年に独立)の監督オタール・イオセリアーニ(彼の作品は旧ソ連で公開禁止されたため、1979年からフランスに移住している)の作品に影響を受けたからなんだ。彼はいつも友人やスタッフをキャストにして映画を撮影し、俳優を使わないんだ。どこかジャック・タチ監督みたいな精神を持ち合わせている人物なんだよ。だから、僕はそんなイオセリアーニ監督みたいになりたいと思ったのが映画界に入るきっかけになったんだ」と明かし、そんな彼のもとで学びたいと思った彼は、このイオセリアーニ監督の映画『フェイヴォリッツ・オブ・ザ・ムーン(英題)/ Favourites of the Moon』(日本未公開)で、脇役として映画デビューを果たしている。

 さらにマチュー・アマルリックは、あの巨匠ルイ・マル監督のアシスタントとしても働き始める。「アシスタントと言っても、当時ウォーキートーキー(携帯型無線機)を持って、撮影中に道を通る車を止めたり、(出演している)子どもたちの世話をしていたりしただけなんだ(笑)。ただ僕がラッキーだったのは、ルイ・マル監督は僕を気に入ってくれて、編集作業を編集室で見せてくれたことだった。そのときは手作業で編集していたから、いろいろ学ぶことがあったよ」とこの場で映画製作のノウハウを学んだらしい。

 では、そんなカメラの後ろに立っていた彼が、どうして俳優になったのだろうか。「すべては、アルノー・デプレシャンのおかげなんだ。彼がリスクを背負って僕を俳優として映画『魂を救え!』で雇ってくれたんだよ。(この前に出演したイオセリアーニ監督作品は、彼は俳優として参加したと思っていないらしい)ただ、僕は映画には、デザイン、メイクアップ、照明などのいろいろな職業があって、俳優も映画の中の一部の職業だと思っていて、他のメイクアップなどとなんら変わりない職業だと思っている」と今は俳優をしているが、映画製作の過程において、どの職業にも興味を持っているそうだ。

 そんないろいろな映画製作の分野に興味を示す彼が、今作で挑戦したのは監督業であった。「確かに17世紀の劇作家ピエール・コルネイユの舞台劇ではあるけれど、国立の劇団コメディ・フランセーズの劇団に委任されて、この映画の監督をすることになったんだ。しかも、このコメディ・フランセーズ劇団で、実際にピエール・コルネイユの劇を演じている俳優たちを、この映画でも使うことになった。だから、彼らはすでに台詞を知っていたんだよ。そのため彼ら俳優にとっては、むしろ難しかったのは、撮影でのカット割りが入ることだったと思う。もちろん、だからと言って仮にワンカットで撮影したとしたら、それはそれでつまらない作品になってしまう……。でもこの映画では、舞台では全くできないことを表現していると思っているよ」と自信をのぞかせた。

 劇作家ピエール・コルネイユについて「彼がこの舞台劇『L'illusion comique』を書いたのが29歳のときで、最初彼はずっと喜劇を書いていたが、この作品から悲劇と喜劇が交錯する作品を執筆するようになったんだ。この映画の最後に、主人公のクリンドールが手紙を読み上げるシーンがあるが、あれは実際にピエール・コルネイユがある女性に書いた手紙の内容なんだ。そんな悲劇と喜劇が交錯するような作品は、すごくシェイクスピアに似ていて、実際にピエール・コルネイユもシェイクスピアの作品がすごく好きだったんだ。それに、その当時は舞台劇の中に舞台劇が描かれるという作品が少し流行っていたそうで、この舞台劇もそういう構成なんだ」と教えてくれた。

 映画は、17世紀の舞台劇が現在の設定で興味深く描かれ、これから先のわからぬ若者のエネルギーと欲求が見事に映像化されている作品に仕上がっている。最後にマチュー・アマルリックは、これから俳優としての活動は、自分の気に入った監督とだけ仕事をして、極力監督業をしていきたいと語った。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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