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『SR サイタマノラッパー』シリーズの最終章がニューヨークで上映!アメリカ人にも高評価

『SR サイタマノラッパー』シリーズの最終章がニューヨークで上映!アメリカ人にも高評価
入江悠監督

 現在ニューヨークのジャパン・ソサイエティで開催されているイベント、ジャパン・カッツで、インディーズ映画として大ヒットした映画『SR サイタマノラッパー』シリーズの最終章『SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』が上映され、入江悠監督がその新作について語った。

 同作は、埼玉のヒップホップ・グループ「SHO-GUNG」の仲間と別れ、上京したマイティ(奥野瑛太)は、ヒップホップ・クルーの“極悪鳥”のパシリをしながらメンバーに入って、ラッパーになる夢を見ていた。ところが、ある事件に巻き込まれ追われる身になってしまうというドラマ作品。

 『SR サイタマノラッパー』の第3弾を製作することになった経緯は「1作目が終わってから、都会に行った奴と、まだ地元に残っている奴の対比を描きたかったんです。それにこれまでのシリーズでは、ヒップホップのライブシーンをまだやっていなかったので、東京でそういうライブをやっている主人公を描こうとも思ったんです。個人的に、ヒップホップのライブに行くのが好きで、ちょくちょく観に行っていました。ただ、MCバトルというヒップホップ特有の文化なので、それについては実際に話を聞いてリサーチしました」と明かした。

 そのMCバトルについて「MCバトルのシーンでのマイティとその対戦相手も、すべて僕が何を歌うか決めています。このMCバトルでは、最初の予選段階では実際にアマチュアで歌っている人たちに出演してもらい、マイティが予選を勝ち上がっていくにつれ、その対戦相手もアルバムを出しているような人たちに参加してもらっています」と語る通り、このMCバトルも映画の魅力の一つになっている。

 映画『ムカデ人間』などでアメリカでも活躍する北村昭博をキャスティングしたことについて「たまたま、彼の出演した映画『ムカデ人間』の日本上映の際に、彼と一緒に東京でトークショーをやったんです。そのとき彼は、日本の映画に出たい、『SR サイタマノラッパー』シリーズの新作を製作すると聞いたので、ぜひ出演させてくれないかと、僕に言ってきたのですが、その時はまだこの新作の脚本を執筆中だったので即答はしませんでした。でも彼がL.Aに帰ってから、ちょうど良い役があるからと連絡して、彼に出演をお願いすることになりました。彼はエネルギーのある俳優なので、周りの役者も盛り上げていましたね」と息が合ったようだ。

 映画内では、クライマックスのフェスティバルシーンで数千人のエキストラが使用されていることについて、「『SR サイタマノラッパー』の1、2作目を観てファンになってくれた方が、結構日本全国に居たんです。そこでブログ、ツイッター、フェイスブックなどで呼びかけて、彼らファンに来てもらったんです。初めてそういったフェスティバルが行われるシーンがあることで、ファンのモチベーションが高かったうえに、そのシーンも普通にファンが歌を聴いているだけのシーンではなく、出演者の演技へのファンのリアクションも必要なシーンでした。そのため、シーン自体にファンのリアクションが入れられることができて本当に良かったです」と語った。映画内では、ファンと出演者の熱演が一体化した迫力のあるシーンになっている。

 一時期、入江監督と主演の奥野瑛太の確執があった理由については「僕が彼を追い込み過ぎたのかも知れませんね。3作このシリーズを製作した中で、彼のことを一度も褒めていないんですよ僕は……。ひたすら彼を追い込んで、何もない状態からいろいろなものを引きずり出す演出をしてきました。それに、彼はこの映画で初めてシリーズの主演になって、そのプレッシャーと、さらに1、2作目よりも規模が大きくなったので、彼自身もいろいろなものを抱えていたために、そういう衝突があっただけなんですよ」と答えた。お互いこの映画にかけた熱い思いは一緒だったようで、後に固い握手を交わしている。

 映画は、モチベーションを高く持った男たちが再結集し、シリーズ最後にふさわしい映画に仕上がっている。同シリーズの1、2作目は、2010年にニューヨーク・アジア映画祭で上映されアメリカ人の間でも好評で、最終章となる3作目も高い評価を得たようだ。 (細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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