アン・リー監督が新作『ライフ・オブ・パイ』でニューヨーク映画祭のオープニングに登場!

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(左から)アン・リー監督、プロデューサーのエリザベス・ギャブラー、スラジェ・シャルマ、ヤン・マーテル、

 映画『ブロークバック・マウンテン』や『ラスト、コーション』などでおなじみの台湾出身のアン・リー監督が、現在開催されている第50回ニューヨーク映画祭(50th N.Y.F.F)で、オープニング作品を飾った3年ぶりの新作『ライフ・オブ・パイ(原題) / Life of Pi』について、作家ヤン・マーテル、主演スラジェ・シャルマ、プロデューサーのエリザベス・ギャブラーとともに語った。

 同作は、インドで動物園を経営していたパテル一家は、ある日豊かな暮らしを求めてカナダへ移住することを決意し、動物たちも連れて船に乗り込む。だが、太平洋上で嵐に襲われ船が沈没してしまい、家族の中で唯一16歳の次男パイ(スラジェ・シャルマ)だけが救命ボートに乗って生き残る。彼は、そのボートよって救われたベンガルトラ、シマウマ、ハイエナと漂流していたオラウータンとともに、残り限られた非常食と雨水を飲んで過ごす壮絶なサバイバル生活を始めていくというドラマ作品。カナダ人作家ヤン・マーテルの同名小説を、アン・リー監督が3Dの映像で映画化している。

 まず、原作を執筆した作家ヤン・マーテルは「原作を執筆していたときは、頭の中では青色の海、白のボート、黄色と黒のトラなどが、まるで映画のように映像化していたが、そんなページに書かれたシンプルな言葉を映画化するには、ものすごい技術が必要であることは、映画ファンでなくてもわかっていたんだ。だから、まさかスクリーンで自分の原作を映像化した映画が観られるとは思わなかったよ」と完成した映画に感嘆の声を上げた。

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 今作が映画デビュー作となるスラジェ・シャルマは「実は僕の兄弟がオーディションに参加する予定で、僕はそれに最初はついていっただけだったけれど、その場で僕も参加するように勧められたんだ。それから、およそ6か月くらいオーディションと電話待ちの状態が続いたんだ。最終オーディションはムンバイで脚本を読むように言われ、僕自身はあまり上手くオーディションができなかったと思っていたけれど、突然アン・リー監督が僕に特別な呼吸法をさせて、僕の内面にあった感情をその場で引き出してくれたんだ。それが最終的に、演じているというより、自然体に見えたのが良かったのかもしれない」とオーディションの過程を語った。

 スラジェ・シャルマ演じるパイは救命ボートの中で、かなり長い時間トラとともに過ごしている。「実際の撮影はボートにはトラは乗っていなかったんだ(ボート内の撮影はCG撮影が多い)。でも僕はいろいろな状況下に置かれているトラのビデオをたくさん観て、その動きを勉強したよ。撮影に使われたトラはすべて調教されたトラで、僕自身も撮影中に調教師のトレーニングをチェックしていたから、救命ボートの上ではそれら(トラの動きとトレーニング)を想像しながら演じていたんだ」と語り、さらにアン・リー監督は「実際には4匹の調教されたトラをこの映画で使い、その調教師は食べ物を使わずに調教をしていたんだ。4匹のうち2匹がメスで、映画内で攻撃的で凶暴なトラが出演しているシーンは(オスだと危険なため)メスに任せ、オスは何も動じないで、どっしりと構えているシーンに出演させていた」と話した。ちなみに病気になって痩せたトラは、カナダのトラを使ったらしい。

 映画内で描かれているスピリチュアルな要素について「僕は実際に76日間も海で漂流していた経験を持つスティーブン・キャラハンに、脚本家デヴィッド・マギーとともに会ったんだ。僕らは、スティーブンが住むメイン州の海辺の近くでいろいろ話をして、結局台湾の撮影現場にもスティーブンはコンサルタントとして参加してくれたんだ。彼が漂流していた際のスピュリチュアルな経験は、映画内でもちろん役に立ったが、そのほかにパイ役を演じるスラジェ・シャルマの顔の表情の変化(長い間漂流しているため顔が変わっていくため)や、海の波の動きなども、彼が助言してくれていたんだ」とアン・リー監督は語り、さらに現場ではスティーブン・キャラハンがスピリチュアルのリーダーであったことも明かした。

 映画は主人公のパイを通して、人間が大自然の中で生かされていることを再認識させられるような映画に仕上がっていて、今作がデビュー作となるスラジェ・シャルマに注目だ。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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