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サンダンス映画祭で観客賞を受賞 身体障害者とセックスセラピストの関係を描く

サンダンス映画祭で観客賞を受賞 身体障害者とセックスセラピストの関係を描く
ジョン・ホークス

 インディーズ系の秀作『ウィンターズ・ボーン』や『マーサ、あるいはマーシー・メイ』などで注目を集めた演技派ジョン・ホークスが、新作『ザ・セッションズ(原題) / The Sessions』について語った。

 同作は、作家で詩人のマーク・オブライエンの実話に基づいた作品。6歳のときにポリオを患い、それ以降長い間人工肺を付け、車いすの生活を送っているマーク(ジョン・ホークス)は、38歳のある日、セックスセラピストのシェリル(ヘレン・ハント)と神父(ウィリアム・H・メイシー)の助けを得て、なんとか童貞を捨てることを決意するというコメディ調のドラマ作品。そんな繊細な題材を、テレビ映画「デュネラ・スキャンダル」のベン・リューイン監督が扱っている。さらに、今年のサンダンス映画祭で観客賞を受賞している秀作でもある。(ちなみに、サンダンス映画祭の上映時は、別のタイトル『ザ・サロゲート(原題) / The Surrogate』だった)

 撮影前にジョン・ホークスは、マーク・オブライエンを描いたアカデミー賞ドキュメンタリー短編賞を受賞した映画『ブリージング・レッスンズ:ザ・ライフ・アンド・ワーク・オブ・マーク・オブライエン(原題) / Breathing Lessons : The Life and Work of Mark O'brien』を鑑賞したそうだ。「あの映画は、素晴らしい研究資料となった。もし僕があの映画を鑑賞していなかったら、全く別のアプローチをしていたかもしれない。その中でも特に、彼の身体面や態度、さらに声音なんかも参考になった。なぜ、それほどまで彼をコピーしたかという理由は二つある。一つは観客全員に届く普遍的なストーリーは、詳細な真実のもとに構成されていくと思っているからで、二つ目は、僕の演技を通して、(普段の)マークの友人や家族への対応について、何かを新たに見いだしてほしいからなんだ(マーク・オブライエンは1999年に死去している)」と話した。

 ベン・リューイン監督は、なぜ実際に身体障害のある俳優と撮影せずに、ジョン・ホークスをキャスティングしたのか、との質問にホークスは「実はベン監督もポリオを患っていて、これまで当然のように身体的努力をしてきたんだ」と明かした後、そんな身体的な苦労をしてきたベン監督は「実際には2、3年間、主演候補の身体障害のある俳優を探していたんだ。その中には、数人の素晴らしい俳優もいて、この映画にも出演してもらっている。だが監督は、主役マーク・オブライエンを演じる俳優だけが見つからないと僕に言ってきた。そこで僕はボディダブル、メイクアップ、ゴム状のものを付けたり、CGを使わないなら、ぜひ演じてみたいと彼に伝えたんだ」と語り、何も加工しないことで、マーク・オブライエンに近づけていったようだ。

 ヘレン・ハントとの共演について「僕とヘレンはお互い話さず、あえて距離を置き、一緒に食事もしなかったし、撮影シーンの話し合いもしなかった。ただ、唯一会話したのが、僕らがベン監督とともにいるときだった」と語った。その理由には「ベン監督は、ヘレン演じるセックスセラピストが行うセッションのシーンを時間の経過ごとに撮影する予定で、あえて僕ら二人を意図的に距離を置かせ、全くなじみのない関係に仕向けたからなんだ。そのため、映画内ではぎこちないセックスシーンが展開されている。通常なら、そのようなぎこちないシーンは編集されたり、音楽を挿入してファンタジーのようなセックスシーンになったりするが、僕らはそのようなシーンは必要なかったんだ」と答えた。映画内では、毎回セッションを行うごとにマークとシェリルの距離が縮まっていく。

 映画は、身体障害者であることを忘れるぐらいのユーモアと、ヘレン・ハントが体当たりで演じるセックスセラピスト、さらに身体の自由が利かない男を熱演するジョン・ホークスなど、見所満載のヒューマンドラマに仕上がっている。
(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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