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バレエ界の頂点を目指すために世界中のバレエ少年、少女が参加する大会とは?

バレエ界の頂点を目指すために世界中のバレエ少年、少女が参加する大会とは?
ベス・カーグマン監督

 昨年のトロント国際映画祭に出品された話題のドキュメンタリー映画『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!』について、ベス・カーグマン監督が語った。

 同作は、名門バレエスクールやプロのバレエダンサーを夢見る5000人を超える少年、少女の応募者が、毎年ユース・アメリカ・グランプリを目指して世界各地で激しい予選を勝ち抜き、本大会となるニューヨークの最終選考会に参加していく。その中には、バレエの才能ある少年アラン、両親を失ったアフリカ出身のミケーラ、日本人の教育ママを持つミコなど個性的で、チャーミングなダンサー達が家族に支えられながら、素晴らしいダンスを本大会で披露していくというドキュメンタリー作品。

 まず、ユース・アメリカ・グランプリについて「このユース・アメリカ・グランプリの予選は世界中で行われていて、アジア区域の参加者は大阪大会に参加しているの。その大阪大会は日本人だけでなく、韓国や中国から来るダンサーもいて、およそ500人くらいのダンサーが参加する大規模な大会なの」と説明した。

 そんなダンサーの中には、日本人の母親を持つ日系イギリス人ダンサー、ミコがいて、彼女の母親の教育が日本人のメンタリティーを象徴している。「アメリカの観点から見ると、彼女の母親は少し教育ママ過ぎるところがうかがえるけれど、彼女の母親はすごく愛情のある女性よ。もともと、彼女の母親はコンサート・ピアニストとして、毎日4、5時間も練習していたらしいわ。だから、そんな練習方法が娘ミコにも生かされていると思うの。それに、どこか日本の文化には、規律をもって長い時間自分を捧げることで、成功しようとするメンタリティーが植え付けられている気もするわ」と、ミコの練習方法に驚かされたそうだが、最終的には母親ではなく、娘ミコの意思でダンスしていることを理解してほしいと明かした。

 次に、西アフリカのシエラレオネ共和国で生まれたダンサー、ミケーラは、3歳の時に両親を失い、4歳の時にはアメリカ、ニュージャージー州のユダヤ人夫婦の養子となった。「彼女はそんな環境で育ったせいか、初めはすごくシャイな女の子だったの。特に彼女のプライベートや過去のことをオープンに話してもらえるほど信頼を得るまで、数か月の時間がかかったわ。彼女の人生自体が、まるで一本の映画になるくらい、すごいストーリーなの。でも、そんな内戦のあったアフリカで育った彼女は、怪我にも負けないくらいの、強く生き抜いていく精神を持っているわ」と教えてくれた。

 チアリーダーとしても活躍する高校生のレベッカは「彼女はユーモアのある女の子で、普通の学校に通ってチアリーダーなんかもやる、ごく普通の女の子なの。彼女は、ブロンドでスタイルも良い美人だから、自分のことを、まるでバービー人形みたい(人間ではないみたいと皮肉っている)と言っているの。でも、彼女の存在によって、このユース・アメリカ・グランプリに参加した少年、少女達が、いかに対照的かということ、そしてバレエの世界にはいろいろなダンサーたちが居るということがわかってもらえると思うわ。今回彼女は、この大会に参加できる最後の年で、プロの世界に入れるか、入れないかという重要な年でもあるの。でも、彼女みたいに綺麗で、スタイルの良い女性でも、タフなプロの世界が待ち受けていることを知ってもらいたかった」と話した。

 このほかに、ナポリ在住の海軍医の息子アラン、バレエ以外のことにも興味を持つミコの弟ジュールズ、コロンビア出身のジョアン、母親が振り付け師のイスラエル出身のガヤなども描かれている。映画は、それぞれ個性的な特徴を持ったダンサー達が、世界の名門スクールやバレエ団を目指し、しのぎを削って舞台で華麗な演技を披露していく印象的なドキュメンタリー作品に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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