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工藤夕貴は生意気だった? 落ちようと思って受けた故・相米慎二監督作『台風クラブ』オーディション

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当時を振り返った工藤夕貴
当時を振り返った工藤夕貴

 俳優・三浦友和と女優・工藤夕貴が20日、渋谷・ユーロスペースで行われた特集上映「甦る相米慎二 相米慎二監督全作品上映+α」の舞台あいさつに登壇し、長年、相米作品で助監督を務めた榎戸耕史と共に、出演作『台風クラブ』(1985年)の秘話を明かした。

『台風クラブ』イベントフォトギャラリー

 『セーラー服と機関銃』『ションベン・ライダー』など多くの名作を残した故・相米監督。没後10年の節目の後、2012年にはエジンバラ国際映画祭、ナント三大陸映画祭、シネマテーク・フランセーズで回顧特集上映が開催されるなど世界からの評価も高まっており、いよいよ日本凱旋となった。

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 三浦は同作でそれまでのイメージをかなぐり捨ててダメ人間を熱演。その後の役者人生を大きく変えた相米監督との出会いを振り返り、「出会っていなければ今のわたしはいない。俳優として一番大切なものを教わりました。この映画も当時は作品の意味がわかりませんでしたが、つい最近も観てやっとこんな素晴らしい作品に出させていただいということがわかりました。そして、世界が相米監督に追いついたのだなと」としみじみ振り返った。

 また、思春期の少女を体当たりで演じ若手実力派女優としての地位を確立した工藤は、実はオーディションでは「落ちようと思っていた」という。経験が浅かったことや、演歌歌手の父親から「歌手が役者をしてはいけない」と教えられて育ったことが関係し「落ちようと思って相米監督に『主役以外やりません』って言ったり、『髪を切ってくれないか』と言われても『嫌です』と断ったり、今考えるとすごく生意気なことを言ったなと」と回顧。すると榎戸から「それが相米監督には(役に)ピッタリなイメージだったんですよ」と褒められて恐縮していた。

 他にも、撮影中は三浦が生徒役の子たち全員の勉強を見てあげていたことや、工藤が撮影合宿で滞在していた民宿の部屋の押し入れにこもる、少し浮いた少女だったこと、そんな工藤を相米監督がかわいがって「宇宙人」「シジミ」といろいろなあだ名で呼んでいたことなど、当時の貴重なエピソードに観客は耳を傾けていた。(取材・文:中村好伸)

特集上映「甦る相米慎二 相米慎二監督全作品上映+α」は2月1日まで渋谷・ユーロスペースで開催

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