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原発事故を苦に自殺した酪農家の妻、過酷な現実を明かす…東京電力前に座り込む覚悟も

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左から、四ノ宮浩監督、菅野バネッサさん
左から、四ノ宮浩監督、菅野バネッサさん

 2日、都内でドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』の初日舞台あいさつが行われ、福島第一原発事故の被害者で、映画にも出演している菅野バネッサさんが何もかも失ってしまった現状を訴え、来週までに補償要求の返答がなければ、東京電力の前に座り込む覚悟があることを明かした。

映画『わすれない ふくしま』フォトギャラリー

 フィリピン人のバネッサさんは、「原発さえなければ……」という遺書を壁に残して自殺したことでメディアにも大きく取り上げられた酪農家・菅野さんの妻。「今でも福島に住んでいます。東京電力と話がしたい。でも裁判になります」とたどたどしい日本語で訴えた。

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 四ノ宮浩監督は「映画を撮らせてもらって、泣き寝入りの状態だった」というバネッサさんに訴えることを提案したと話し、「飯舘村の人は月に10万円もらっているが、そこから車で10分くらいの相馬市に住むバネッサさんには何もない。こういう格差をなくしてほしい」とコメント。現在バネッサさんは保険金を切り崩しながら2人の子と暮らしているものの、金銭的に生活が困難になってきているという。

 その一方で、監督は「ただお金をもらうだけが目的ではない。ヴァネッサさんは土地、建物、夫、生活、全てをなくしています。こういう状況になってしまった人がいることを知ってほしい。メディアも福島の問題を取り上げるのを嫌がっている。映画を観た皆さんからも発信してほしい」と改めて本作に込めたメッセージを伝え、これにはバネッサさんも小さくうなずいていた。

 本作は、原発事故という未曾有の困難に耐え、それを乗り越えていこうとしている福島の人々を追ったドキュメンタリー。この日は佐久間肇プロデューサーも登壇した。(取材・文:池田敬輔)

映画『わすれない ふくしま』は東京都写真美術館ホールほかにて全国順次公開中

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