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『キューティー&ボクサー』の篠原有司男がアカデミー賞を確実視?

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ザカリー・ハインザーリング監督、篠原有司男(右)・乃り子夫妻
ザカリー・ハインザーリング監督、篠原有司男(右)・乃り子夫妻

 アカデミー賞ドキュメンタリー長編賞にノミネートされた映画『キューティー&ボクサー』について、前衛芸術家の篠原有司男、妻の篠原乃り子ザカリー・ハインザーリング監督が語った。

映画『キューティー&ボクサー』写真ギャラリー

 本作は、ボクシングのグローブを使ってキャンパスを殴るようにして描くボクシングペインティングで注目を集めた篠原有司男と、彼を長年支え続けてきた20歳以上年下の妻、篠原乃り子の波瀾万丈の生活を振り返った作品。

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 篠原夫妻との出会いについてハインザーリング監督は「ジャーナリスト兼写真家の友人パトリックに篠原夫妻の写真を見せられ、当初は夫妻の1日を描いた短編を製作するよう勧められた。実際に撮影すると、チャーミングな夫妻に惹(ひ)かれ、友人になりたいと思ったんだ。その当時、僕はまだ大学を卒業して間もない頃で、アーティストに対してロマンチックなイメージを抱いていたため、実際のアーティストがどういうものか知りたくて、夫妻と食事などを繰り返すうちに、いつしか今作を製作していた」と夫妻の人柄にほれ込んだようだ。

 日本での宣伝体験について 乃り子夫人は「昨年10月に池袋パルコ本館の屋上で試写を行って、12月に渋谷パルコでアート作品の展示会を行いました。試写は10月初旬なのにかなり寒かったのですが、観客の皆さんは薄着のまま映画を鑑賞してくださって、その後わたしたちがQ&Aに出たときも、すごく熱くなって質問してくださいました。12月の展示会と公開が行われた渋谷パルコの周りは、若い人がいっぱいで、まるで違う国に行ったみたいでした。そんな場所で、わたしたちの作品が受け入れられるかと思ったけれど、わたしの作品は特に中年の女性と若い人たちが喜んでくれました」と反響に驚いたようだ。

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 オスカーにノミネートされたことについて「まだあまりピンと来てないです。美術館で作品が展示される決定なら、カァーッと興奮するんでしょうけれど……、その場に行ってどうなるのかなあ、という感じです(笑)」と乃り子夫人が答えると、有司男さんは「僕は最初から今作はオスカー取れると思っているよ。日本のマスコミにもノミネーションは絶対大丈夫と言っていたしね。芸術家だけでなく、ラブストーリーが入っているし、ラブは一番強いから、オスカーを取ることを信じているよ!」と熱く語った。

 映画は、人生のさまざまな苦難を乗り越え、美しく老いていく夫妻の姿が究極の愛の姿として描かれている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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