韓国ドラマはなぜ日本で受けたのか? キーワードは「ベタさ」
社会現象となった韓流ブームの火付け役である韓国ドラマについて、何がそんなにも日本人の心を動かしたのか、改めて検証した。
2003年にペ・ヨンジュン主演の「冬のソナタ」が日本で初放送されて以来、爆発的に人気が広がった韓国ドラマ。その理由として真っ先に浮かぶのが、近年の日本ドラマには見られなくなっていたベタさだ。
純愛を貫こうとする主人公とヒロインが、「出生の秘密」「記憶喪失」「深刻な病の発覚」「ライバルの出現」など、次々と降り掛かる試練に涙する「冬ソナ」は、まさに王道中の王道を行くメロドラマ。日本では1970年代に人気を博した山口百恵の「赤いシリーズ」や、いがらしゆみこ・水木杏子作の少女漫画「キャンディ・キャンディ」をほうふつとさせ、そのころに青春を過ごした40~50代女性を魅了したことから、韓流ブームが巻き起こったといわれている。そしてペ・ヨンジュンを筆頭に、イ・ビョンホン、クォン・サンウといった韓流スターの人気へとつながった。
続いて「私の名前はキム・サムスン」「コーヒープリンス1号店」などに代表される、ベタなラブコメが日本に上陸。平凡なヒロインと御曹司(もしくはスター)が、反発し合いながら恋に落ちるという、少女漫画のような極めてわかりやすいシンデレラストーリーがより幅広い年齢層の女性に受け、「美男(イケメン)ですね」によるチャン・グンソクフィーバーなどが巻き起こった。また、「花より男子~Boys Over Flowers」「親愛なる者へ」など、日本のヒットドラマをリメイクした作品も多く、日本人にとって「なじみがあってわかりやすい」ことが人気の要因だったのではないだろうか。
最近では、韓流ブームの火付け役となった「冬ソナ」のユン・ソクホ監督が、ブームを加速させたチャン・グンソクを主演に、K-POPの筆頭少女時代のユナをヒロインに迎えて放った恋愛ドラマ「ラブレイン」の劇場版が日本公開となり話題に。ブーム再燃へとつながるのか気になるところだ。(文・斉藤由紀子)
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