孤軍奮闘の塚本晋也監督、受賞ならずも戦争のすさまじさを観客に刻み付ける!

第71回ベネチア国際映画祭

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塚本晋也監督はじめキャストが勢ぞろい

 第71回ベネチア国際映画祭に日本からの唯一のコンペティション部門参加作品となった塚本晋也監督の『野火』。惜しくも受賞を逃したが、同作が世界に与えた衝撃は大きかった。

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 普通の人間が、人を殺し、人を食らうことになってしまう恐ろしさ、人間が撃たれたときに感じる強烈な痛み、傷口にウジが湧き、生きながら腐乱していく「死」と戦うことのリアル。「戦争を体験した人たちが日本からいなくなってしまう前に、どうしても撮りたかった」と話し、構想から20年を経て作られた作品は、監督自身が戦争体験者に取材をし、彼らが体験した恐怖をそのまま描いた。

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 これまでエクストリームな描写で知られてきた塚本監督だからこそ撮れる、グロテスクですさまじい映像。これこそが戦争の真実であり、兵士たちの現実に肉迫した映像を観ると観客は戦場のど真ん中に放り出された気持ちになる。スクリーンからは、腐乱した死体や血の臭いが今にも漂ってきそうだった。あまりにもすさまじい描写に批評家たちからの評価も真っ二つに分かれた。「拷問のようだった」と書かれた記事もあり、プレス試写翌日に行われた会見では「やりすぎではないか」との声も上がったが、忘れられないほどの衝撃と恐怖こそが塚本監督が描きたかった戦争の本当の恐ろしさだ。

 映画祭の出品作でも大手の配給会社がついた作品は、出品前から宣伝会社が走り回り、スタンディングオベーションやレッドカーペットの様子が大げさに伝えられることも多い。が、まだ作品の配給が決まっていない塚本監督は、映画祭での宣伝活動に、ほぼ一人で立ち回っていた。だからこそ、ベネチア国際映画祭という場所で塚本監督の努力が世界に示せたことは大きな一歩になったはずだ。(編集部・森田真帆)

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