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84歳の巨匠エルマンノ・オルミが父への思いを込めた渾身の戦争ドラマ、2016年4月劇場公開へ

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『緑はよみがえる』より
『緑はよみがえる』より

 『木靴の樹』(1978)、『聖なる酔っぱらいの伝説』(1988)などで知られるイタリアの巨匠エルマンノ・オルミの新作映画で今年のイタリア映画祭で上映された『緑はよみがえる』が、2016年4月23日に劇場公開される。

 本作は、1917年、第1次世界大戦下のイタリア戦線において最激戦地といわれたベネト州アジアーゴ高原を舞台に、塹壕に身をひそめ、寒さと死の恐怖に怯える兵士たちの過酷な運命を描いたドラマ。オルミ監督が、第1次世界大戦に従軍した父への思いを込め、反戦の意をもって作り上げた作品で、「父はヒロイズムに駆られて19歳で、第1次大戦に従軍しましたが、過酷な戦場での体験はその後の父の人生を変えてしまいました。戦友を思い、父が涙するのを見たのは一度きりではありません」とオルミ監督は戦争で傷ついた父の姿を振り返っている。

 月光が凍てつく山を照らす晩、イタリア軍兵士の歌うナポリ民謡が山に響き渡り、姿を見せないオーストリア兵士からも歌をせがむ声が聞こえてくる……。監督の息子で撮影監督のファビオ・オルミが捉えた、ほんの束の間の安らかな風景が圧巻だ。やがて開始されるオーストリア軍との戦いの中で、次々と死んでいく兵士たちの姿との対比が痛烈に胸に残る。またプロデューサーに娘のエリザベッタ・オルミが名を連ねており、本作は家族ぐるみで完成させた渾身の一作となっている。

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 現在、84歳のオルミ監督は1976年にミラノからこのアジアーゴ高原に住居を移し、今もなおこの地で暮らしている。(編集部・石井百合子)

映画『緑はよみがえる』は、2016年4月23日より岩波ホールほかにて全国順次公開

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