伊藤計劃さんと円城塔の小説「屍者の帝国」が「SUGOI JAPAN Award」受賞

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登壇した芥川賞作家・円城塔

 2009年に夭逝(ようせい)した作家・伊藤計劃さんの未完の小説を、親友の作家・円城塔が引き継いで執筆した小説「屍者の帝国」が「SUGOI JAPAN Award2016」に選出され、伊藤さんの両親が出席、故人の遺志を受け継いだ円城に感謝する一幕があった。

【写真】佐野ひなこが「SUGOI JAPAN Award2016」登場!

 「SUGOI JAPAN Award2016」は、2012年1月1日~2015年7月31日にかけて日本国内で刊行・放送・上映が行われた「マンガ、ラノベ、エンタメ小説」、2014年7月1日~2015年7月31日にかけて発表された「アニメ」を対象に、ファンによる推薦と有識者らの議論により4ジャンルそれぞれ約20作品(計92作品)を「SUGOI 20(スゴイ トウェンティー)」として発表。最終審査である国民投票を経て、各ジャンルの中から世界で大ヒットさせたいと思う作品を選ぶ。

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 今回、エンタメ小説部門第1位作品に選ばれたのは、伊藤さんの未完小説を、親友の作家・円城が完成させた「屍者の帝国」。死体蘇生技術が飛躍的に進歩した19世紀末のロンドンを舞台に秘密の書「ヴィクターの手記」をめぐる物語で、2015年にはアニメーション化され、劇場で公開された。

 この日は円城とともに伊藤さんの両親も登壇。伊藤さんの父親は「計劃が亡くなってから一昨日でまる7年になりました。こうやって晴れがましいところに計劃が呼ばれたので、わたしと妻とで代わりに出席させてもらいました。これはなんといっても円城さんが引き継いで書いてくれたおかげ。深くお礼をいいたいです」と瞳をうるませながらあいさつ。円城も「このような大変名誉ある賞をいただけてやや戸惑っています。おとといで7年と聞いて、その期間、僕は何をしていたのかと。本来であれば、伊藤計劃が新作を発表し、ここに立っていたはずです。そして僕は2位くらいで邪魔するのが美しい形だと思う。それが叶わないことになってしまいましたが……」と沈んだ顔を見せつつも、「1位をいただけたことはうれしいのですが、それは主に伊藤計劃の力であると。それが7年たっても恐怖であります。今でも『もっと現代的にアレンジできたのではないか』とか、『ああすればよかったのではないか』とか、うなされて起きることがあります。彼にはもうちょっと働いてほしかった。そうすれば僕らも楽だった」と冗談めかしてあいさつし、「また第何回か後に、ここに立てればいいなと思います」と決意を語った。

 この日はスペシャルゲストとしてタレントの佐野ひなこも来場。「日本のアニメやマンガは本当にすばらしい作品が生まれているので、これらの作品が世界に発信されればいいなと思います」とメッセージを寄せた。(取材・文:壬生智裕)

「SUGOI JAPAN Award2016」各部門の1位受賞作品は以下の通り。

■マンガ部門第1位作品
「ワンパンマン」(原作:ONE、漫画:村田雄介)

■アニメ部門第1位作品
「四月は君の嘘」(監督:イシグロキョウヘイ)

■ラノベ部門第1位作品
「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」(著者:大森藤ノ、イラスト:ヤスダスズヒト)

■エンタメ小説部門第1位作品
「屍者の帝国」(著者名:伊藤計劃、円城塔)

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