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オスカー受賞前のディカプリオが語った本音

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レオナルド・ディカプリオ
レオナルド・ディカプリオ - Dave J Hogan / Getty Images

 アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の映画『レヴェナント:蘇えりし者』で入魂の演技を披露し、ついにアカデミー賞主演男優賞を獲得したレオナルド・ディカプリオ。「悲願成就」と大きな話題となり、全世界の興行収入が5億2,000万ドル(約572億円、1ドル110円計算)を超す大ヒットになっていることも、レオにはさぞうれしいことだろう。というのも、アカデミー賞受賞間違いなしと騒がれていた頃の彼が、次のように語っていたからだ。

映画『レヴェナント:蘇えりし者』本編映像

 「ひとつはっきりわかっているのは、賞とかは予想できないということ。撮影現場に出かけて、できる限り最高の仕事をする。その後のことは他の人たち次第なんだ。でもどんな注目でも集めることができれば、映画に対する素晴らしい支援になる。今ではこういう作品が作られることは珍しいからね。今作が注目されることを願っているよ」。

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 本作でのレオの役どころは、クマに襲われて瀕死の重傷を負うハンター、ヒュー・グラス。彼を見捨てた仲間に復讐するため、極寒の中を旅するさまがリアルに描かれる。こんなに大変な仕事をレオが引き受けた最大の理由は、アカデミー賞監督賞を2年連続受賞したイニャリトゥ監督と組めること。「彼は素晴らしい監督だ。彼と仕事をするということは、単純に映画をやるというのではなく、壮大な冒険に出かけることになるとわかっていた。僕らはこの映画の世界に没入した。すごく離れたところにあるロケ地、氷点下の気温、時代物だということ、それらすべてが毎日僕らに違うチャレンジを与えたんだ」と熱く語る。

 また、イニャリトゥ監督と3年連続アカデミー賞を受賞した撮影監督エマニュエル・ルベツキは、自然光だけでマジックアワーに撮影を行うという大胆な撮影手法をとり、詩的な映像美を作り出した。そんな撮影現場をレオは、「毎日リハーサルをして、1日の終わりの1時間半で撮影したんだ。まるで毎日舞台をやっているみたいだった。1時間半の間に、ちゃんと演技ができないといけないという緊張感が、この映画のストーリーにエネルギーを注入した。映画作りをすごく愛している彼らと一緒に仕事をするのは素晴らしい体験だったよ」と振り返った。

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 そしてレオは、本作でスピリチュアルな音楽を手がけた坂本龍一のことも絶賛。「彼は僕の演技はもちろん、(映画の)ムードや物語を見事に解釈し、より良くしてくれた。(今作では)僕のセリフはすごく少なくて、内的なジャーニーがたくさん描かれる。サイレント映画みたいで、音楽がヒュー・グラスのジャーニーに大きなエモーションを注ぎ込む。彼の音楽がこの映画を次のレベルに高めてくれたんだ」と褒めちぎった。

 最後に「今回の撮影で一番大変だったことは?」と尋ねると、「驚いたことに、暖かくしていることだったんだ」と笑うレオ。役者としてひと回り大きくなった彼の今後が更に楽しみになった。(取材・文:吉川優子)

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