トム・クルーズ、白髪&ぽっこりお腹で激変「自分自身を試される」デビュー45周年で大惨事コメディー挑戦

ハリウッドスターのトム・クルーズが主演を務める新作映画『DIGGER/ディガー』の予告編が、現地時間13日に全世界公開された。一般披露に先駆け、現地時間9日に米・ロサンゼルスでトレーラーローンチイベントが行われ、主演のトムが謎に包まれた本作の魅力やメガホンを取るアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督とのタッグについて語った。
【動画】トム・クルーズ、白髪&ぽっこりお腹で激変!『DIGGER/ディガー』予告編
1981年の映画デビューから45年、トムの集大成作品としても注目されている本作は、石油採掘会社のCEOが世界を救うべく立ち上がる大惨事エンターテイメント。主人公ディガー・ロックウェルを演じるトムは、白髪&ぽっこりお腹とこれまでにない変貌を遂げており、『トップガン』『ミッション:インポッシブル』などで表現した完璧なヒーロー像を自ら脱ぎ捨て、下ネタ全開の破天荒な演技を披露する。
トムは「肉体的にも、そして比喩的な意味でも、崖っぷちに立ち、『さあ、やろう』と覚悟を決めることほど刺激的なことはありません」と切り出し、「これほどまでに自分自身を試される作品に出会ったことは、私には一度もありませんでした。アレハンドロにとっても同じだったと思います。そして、この映画をご覧になれば、それが完全に独創的な作品であることがお分かりいただけるはずです」とキャリア屈指の挑戦作になったことを強調した。
「この映画には、いくつもの映画作りの要素が積み重ねられています。作品全体のデザインから演技、キャラクター造形、そしてキャスト全員に至るまで、すべてが卓越しています。ひとつひとつのカットを見ながら、『このフレームの中には何があるのか』『このセットにはどんな意味があるのか』『ユーモアはどこから生まれているのか』『何が観客の心を動かすのか』を探り続ける。そんな作品なのです」
メガホンを取るイニャリトゥ監督は、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『レヴェナント:蘇えりし者』でアカデミー賞最優秀監督賞を2年連続で受賞した名匠だ。トムは、イニャリトゥ監督が2000年に発表した『アモーレス・ペロス』を鑑賞した際、「何なんだ、この監督は!」と度肝を抜かれたという。
「どんな分野でも 一流の人というのは、物事を見る目を持っています。私は映画人として、この監督が細部にまで込めたこだわりを見ていました。キャリアの初期から、彼はすでに驚くべきことを成し遂げていました。『どうやってこんな作品を作ったんだ?』と思わずにはいられませんでした。演出、そして撮影監督チーボ(エマニュエル・ルベツキ)とともに作り上げたカメラワーク。俳優たちの演技。美術。色彩設計。映画を構成するあらゆる要素が緻密に考え抜かれていて、細部にまで神経が行き届いていました。そして何より、自分の仕事を深く理解した、卓越した才能を持つ一人の人間の力強い声が作品全体から伝わってきました」
そこから、イニャリトゥ監督の作品を一本も欠かさず観ているというトムは、数年後に本人と対面。『DIGGER/ディガー』は、イニャリトゥ監督が数年間温め続けていたプロジェクトで、脚本執筆段階でトムに主演オファーを投げかけたという。
「今からおそらく7年ほど前になるでしょうか。彼は脚本を書いている段階で私に話を持ってきてくれ、そこから一緒に作品を作り上げていきました。『DIGGER/ディガー』をご覧になれば、この映画にどれほどの細部へのこだわりと高度な技術、そして幾重にも重なる創作の積み重ねが注ぎ込まれているか、おわかりいただけると思います。アレハンドロ自身も、これまでこのような作品を作ったことはありませんでした。そして私もまた、これほどの作品に挑んだことは一度もありませんでした」
トムは、イニャリトゥ監督との作業を「本当に素晴らしい経験」と振り返る。「アレハンドロは何日も時間をかけて、脚本を私に読み聞かせてくれました。私は彼の頭の中にあるものすべてに耳を傾け、それを理解しようと努めました。そうすることで、自分がどのように作品へ貢献し、この共同作業をさらに豊かなものにできるのかが見えてくるのです」
映画館離れが問題視されている昨今、トムは劇場で映画を鑑賞する大切さを世界に訴えてきた。「何よりもまず、私自身がひとりの観客です。私は映画が大好きです。どんなジャンルの映画も好きですし、公開初週の週末に劇場へ足を運び、たくさんの観客と一緒に作品を観ることが好きなんです」
「だからこそ、その物語を伝えるために必要なことであれば、何でもやります」と力を込めたトムは、「それは、ひとりの力では実現できません。映画は、みんなで力を合わせて作り上げるもの。本当に特別な仕事だと思います」と感慨深げに語っていた。
残念ながら、ローンチイベントにはイニャリトゥの登壇は叶わず。その代わりに、イニャリトゥ監督は本作に込めた思いをメッセージ動画として会場に届けた。イニャリトゥ監督の熱きメッセージは以下の通り。(編集部・倉本拓弥)
アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督 メッセージ全文
まずはじめに、今日この場でみなさんやトムと直接ご一緒できないことをお詫び申し上げます。ご覧のとおり、私は現在ロンドンのサウンドステージで『DIGGER/ディガー』のサウンドミックスの最終作業を行っています。非常に繊細な工程で、私の全神経を注がなければなりません。
みなさんは、これから、これまで目にしたことのないほどカリスマ性に満ちた“大災害”を目撃することになります。
この作品のインスピレーションが生まれたのは、『レヴェナント:蘇えりし者』の直後でした。当時あったのは脚本でも映画でもなく、ただ何度も頭から離れないひとつの執念でした。その思いは、この激動の年月を経ても消えることはありませんでした。私は、この人物がどんな人間なのかを知っていました。どんな話し方をするのか、どのように生き延びるのか、そして現実さえも自分に都合よく取り込んでしまう術を持つ男であることも分かっていました。
しかし、この映画を完成させるまでには10年を要しました。私が探していたのは、「物語」ではなく、その物語を語るための正しい方法だったからです。この作品は、不条理で、危険で、それでいて間違いなくコメディーでもあります。偉大なコメディーの源泉は悲劇ですから。
「なぜディガー役にトムを選んだのですか」と、よく聞かれます。私にとってそれは、「喉が渇いたら、なぜ水を飲むのですか」と尋ねられるようなものです。必要だったからなのです。この映画にはトムが必要でした。私たちは21世紀の初めから一緒に仕事をしたいと願っていました。私は長年、俳優としての彼を強く尊敬してきました。なので、それ自体は何の驚きでもありませんでした。本当に驚いたのは、俳優トム・クルーズの背後にいるひとりの人間が、これまで彼が見せてきた数々の素晴らしい演技と同じくらい、いやそれ以上に並外れた人物だったことです。彼がやってみせた変貌には本当に驚かされました。ある時、彼は私にこう言いました。「アレハンドロ、この人物になるまでに40年かかったんだ。」私たちはどちらも、その言葉の意味を互いによく理解していました。長年積み重ねてきたキャリアのすべてを、この一つの瞬間へと注ぎ込むことがどういうことなのかを。私たちは、自分たちの歩んできた道の中で、これほどの挑戦を、いや、これに近いことすら、これまで一度もしてこなかったのです。
この映画を作るために、私はすべてを注ぎ込みました。これほど徹底した準備をして臨んだ作品はありません。すべてのカット、すべてのレンズ、すべての色彩、衣装、登場人物、背景、小道具、あらゆる層や象徴ーーこの作品に偶然存在しているものはひとつもありません。
私たちはビスタビジョンで撮影しました。映画には、そのスケールがふさわしいから。1954年にデザインされたカメラを使用し、撮影監督のチーボと私は、今回初めて、この映画のためだけに設計されたヴィンテージの超広角ライカレンズを装着することを許されました。私は素晴らしいアーティストやプロデューサー、共同制作者、共同脚本家、そして夢のようなキャストに恵まれました。そして何よりも、長い間、私の頭の中にしか存在していなかったものを信じてくれた人々に支えられました。
今日、みなさんにご覧いただくのは、その世界へのほんの入り口にすぎません。氷山の一角であり、予告編であり、ひとつの約束です。なぜなら、ディガーという男は魅力的で、ユーモアにあふれ、目が離せない存在だからです。そして最も危険な人物たちがそうであるように、あなたを彼に賛成させてしまうのです。
最初の観客となってくださるみなさんに、心から感謝いたします。本当にありがとうございます。それではみなさん、準備はいいですか?「母なる自然は、ろくでなしを愛している。」これが『DIGGER/ディガー』です。さあ、始めましょう。
映画『DIGGER/ディガー』は10月9日(金)全国公開


