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女装した12歳の少年娼婦…衝撃作の驚くべき真実

世間から反発を受けたことを振り返るローラ・アルバート
世間から反発を受けたことを振り返るローラ・アルバート

 全米に衝撃を与えた小説「サラ、神に背いた少年」の作家ローラ・アルバートが、映画『オーサー:ザ・ジェイティー・リロイ・ストーリー(原題) / Author: The JT LeRoy Story』について、8月17日(現地時間)ニューヨークで開催されたAOLのイベントで語った。

 女装した12歳の少年娼婦を描いたその過激な内容から全米の注目を浴び、多くのセレブにも影響を与えた「サラ、神に背いた少年」は、J・T・リロイという男性作家が書いた自叙伝と思われていた。だが実際には、J・T・リロイは存在せず、ローラ・アルバートという作家が小説として作りあげた架空の人物であった。本作はこの衝撃の事実を描いたドキュメンタリー。映画『悪魔とダニエル・ジョンストン』のジェフ・フォイヤージークがメガホンを取った。

 もし世間が、ローラが執筆したと事前に知っていたなら、作品は認められなかったのだろうか。「わたし自身も、最初からあのような(男性と偽った)やり方で執筆するつもりはなかった。ただJ・T・リロイというキャラクターの存在は、常にわたしの心の中にはあったの。結局、自分を取り除いて、J・T・リロイというキャラクターの世界に入って執筆していたから」と説明した。

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 これまで多くのメディアが彼女にアプローチをかけていたようだ。「アプローチの中には『自分のテレビ番組を作らないか?』というものもあった。でも、わたしの作品がもたらしたセレブとの接点だけを見て、本の内容をろくに読んでいなかった。そんな連中にわたしの人生を(番組を通して)与えなければいけないのかと思ったら、むしろ(わたしの作品が)全く理解されずに亡くなったほうがマシだと思ったくらい」と嫌悪感を抱いたそうだ。

 J・T・リロイという人物が存在しないだけで、なぜこれほどまでに反発を受けたのか。「誰もわたしに、それを聞いてこなかった。ほとんどの記者は、過去のわたしがどんな人物で、なぜそういう動機で作品を書いたのか、ということしか聞いてこなかった。だから、まるで警察のプロファイリングのように、ブルックリンの退屈な主婦が文学の世界に入るために、12歳の女装した娼婦の少年を作り上げたとしか判断されなかった。それにメディアからも、『世間はお前にだまされた、偽物、加害者、万事休す、全てをさらせ』という言葉でののしられた。賢明な人からは『津波の前(メディアの批判)に立つことはできない』と言われ、それを受け入れるしかないのは困難だった」と振り返った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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