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拉致誘拐を経験した・水井真希監督、性暴力被害者の二次被害防止を訴える

拉致誘拐を経験した・水井真希監督、性暴力被害者の二次被害防止を訴える
性暴力被害者の二次被害防止を考えるシンポジウムに出席し持論を展開した水井真希監督

 20日、自らが経験した連続少女拉致事件をモチーフに撮影した映画『ら』の水井真希監督が、都内で行われた「性暴力に対する第三者の向き合い方 報道やネットによる二次被害防止を考える」シンポジウムに、ジャーナリストの安倍宏行氏、ジェンダー研究の牧野雅子氏、弁護士の白木麗弥氏、女性とアディクション研究会の田中紀子氏と共に参加した。

 水井監督は、自らが10代のときに連続少女拉致事件の被害にあい、性暴力被害者としての経験を持つ。そのときの出来事を映画として発表したが「ちょっとした通り魔的な犯罪だと信じてもらえるのだけれど、拉致について話してもほとんど信じてもらえなかったんです。だから自分の中で何らかの形でアウトプットしたいと思って作品にしたんです」と製作理由を語る。

 本シンポジウムには「報道やネットによる二次被害防止」というテーマもあるが「作品にしたら、売名だろうみたいな中傷もありました。こちらはすき好んで被害にあったわけではないんですけれどね」と水井監督は憤りを感じたという。

 近年、性犯罪が報じられることが多くなり、今年の春には、埼玉県朝霞市で当時中学生だった少女が、2年間男に監禁された事件がメディアやインターネットで大きく報じられた。一部ワイドショーなどでは過剰な報道もされ、被害者の二次的な精神的被害も心配された。

 そんな状況に牧野氏は「1980年代から性犯罪報道をポルノ的に楽しむ記事は、明確に批判されていましたし、メディアの対応も是正されてきたのですが、ここ最近はインターネットの普及もあり、また事件を楽しむような過激な見出しなどで語られることが多くなってきています。そのことで性犯罪を加害者メンタルで読んでしまい、性暴力を助長する危険性も否定できません」と警鐘を鳴らす。水井監督自身も、「性暴力被害にあったというと『俺にもやらせてよ』とか『ブスなんかと誰がやるんだよ』みたいな書き込みもある」と実情を明かす。

 性犯罪を犯した加害者が「相手から誘ってきた」と発言することは多いという。弁護士の白木氏は「加害者の認知のゆがみというのが性暴力事件の特徴でもあります」と語ると、水井監督も「自分がやりたいと思っていたのに、相手がしてくれって言っていたと思い込む人が多い」と指摘する。

 水井監督は「いまは性犯罪の被害者にならないようにという教育プログラムがあるようですが、いくら自分で気をつけたところで、被害にあってしまうことがある。それなら加害者を作らないように予防することに力を入れるほうが、はるかに効率がいいと思うんです。そういった教育をすることが被害者を生まない一番いい方法だと思います」と力説していた。(磯部正和)


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