女優の地位向上!60年代アメリカを席巻した伝説のコメディエンヌとは

伝説のコメディエンヌを追ったドキュメンタリー映画を手掛けたジェイソン・ワイズ監督
伝説のコメディエンヌを追ったドキュメンタリー映画を手掛けたジェイソン・ワイズ監督

 1960年代に全米でヒットしたシチュエーションコメディー番組「ディック・ヴァン・ダイク・ショウ」に出演して人気を博したコメディエンヌ、ローズ・マリーを題材にしたドキュメンタリー映画『ウェイト・フォー・ユア・ラフ(原題)/ Wait for Your Laugh』について、11月1日(現地時間)、ニューヨークの映画館 The Landmark at 57 Westで開催された特別試写後のQ&Aで、ジェイソン・ワイズ監督、トーク番組司会者のディック・キャヴェットピーター・マーシャルが語った。

【写真】現在は91歳!『メリー・ポピンズ』バート役当時のディック・ヴァン・ダイク

 ローズ・マリーは、子役時代から歌手としても注目され、寄席演芸場でパフォーマンスをしながら才能を磨いた後、「ディック・ヴァン・ダイク・ショウ」で世間に一躍その名を知らしめた伝説的なコメディエンヌ。まだ男尊女卑の考えが根強い1960年代のテレビ番組の中で、女優の地位を向上させるために、積極的に脚本家たちと話し合い内容を改稿させたり、即興的な演技を取り入れるなどして、アメリカにおける現在のコメディエンヌの模範となった。本作は、1960~70年代にアメリカのお茶の間の顔だったディック・ヴァン・ダイク、ディック・キャヴェット、ピーター・マーシャルらのインタビューを交えてローズの姿を追う。

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 本作は年配の人たちだけを描いたわけではないと語るワイズ監督は「個人的に、僕の世代やそれ以降の人たちは、いかなる経緯で今の僕らが存在しているのかを把握していないことが大きな問題だと思うんだ。今回、このイベントでディックに登壇してもらったのは、彼のテレビ番組『ディック・キャヴェット・ショウ』が、いかに今日のアメリカの文化に影響を与えたか、そして当時と比べていかに現在が変化したかを、彼ら(ディックやピーター)を通して、観客に理解してほしかったからなんだ」と訴えた。

 トーク番組の司会者として長年多くの人にインタビューをしてきたディックは、過去のエンターテインメント業界について、「以前は巨星と言われるスターがたくさんいたんだ。もっとも、今はそのほとんどが亡くなってしまったけどね(笑)」と冗談交じりに話し始め、「もし、フレッド・アレン(コメディアンでラジオ番組の司会者)という名前を知らない人がいるならば、それは残念なことだと思うんだ。僕が子供の頃には、彼がラジオで語り始めると、父は(ラジオを聴きたくて)僕ら家族に話をさせなかったくらいだったんだからね。彼はラジオ中心に活躍したが、その後のテレビの黄金時代(1940~60年代)にも、とても素晴らしい作品がたくさんあったんだよ」と語った。

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 ローズがエンターテインメント業界に残した功績についてピーターは、「今日のコメディエンヌの中には、ローズ・マリーのような女性はいないと思う。当時、僕が寄席演芸場で観てきたジーン・キャロルなどは、1時間~1時間半の長さで演技をしたり、コメディーに挑戦したり、歌ったりしたが、そんなパフォーマンスができる若いコメディエンヌは未だに見たことがないからね。それに、僕らがナイトクラブでコメディーをやっていたときは、『Damn(こんちくしょう、くそ!)』とさえ言うことができなかったから、知恵を働かせてコメディーをやらなければいけなかったんだ。そんな中で、当時のローズは何でもできていたよ」と彼女を称賛した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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