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ウィル・スミス、いじめられた経験が役立った…人間×オークの警官コンビが伝えるもの

来日したウィル&ジョエル
来日したウィル&ジョエル - 撮影:壬生智裕

 Netflixオリジナル映画『ブライト』で、人間とオークの警官コンビを演じたウィル・スミスジョエル・エドガートンが来日し、本作テーマの一つになっている差別問題について語りつつ、2人の名バディっぷりをうかがわせる仲の良さを終始見せつけた。

人間×オークの警官コンビ『ブライト』新予告編

 本作は、人間だけでなくオークやエルフらさまざまな種族が共存している“もう一つの世界”を舞台に、ロサンゼルス市警の人間ウォード(ウィル)とオークのジャコビー(ジョエル)の警官コンビが、巡回中に核兵器にも平和のシンボルにもなり得るという“魔法の杖”と謎の少女に遭遇したことで、地球の運命を揺るがす巨大な事件に巻き込まれていくさまを描くバディアクション。

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 ウィルは「この作品の面白いところは、エルフが裕福な上流階級にいて、オークはみんなが見下す底辺にいるところ。人間はその中間なんだ。僕が演じたのは黒人の警官で、オークに差別意識を持っている。通常とは違う社会的構造の中で、人種差別や偏見を、違った視点で見ることができるんだ」と本作の魅力を語りだす。

 何より興味深いのは、人間ウォードがオークの相棒を持つのは嫌だとはっきり言いきっていること。そのことにより、ライトなトーンながらも、差別がいかに不快なものであるかを実感できる。「SFで好きなのは、ファンタジーの世界だからこそ、実際の社会問題について語ることができるところなんだ。今作では、普通の映画では真っ向から語れないようないじめや差別についても、オークについてなので描ける。現実のとても辛辣なことについても、ファンタジーというシュガーコーティングができるから、美しい形で観客にメッセージを届けられるんじゃないかと思う」とその意図を説明するウィル。ジョエルも「アメリカには人種差別主義者が多いと思うけれど、人種差別はいけないという認識も広まったことで、かえって数々の差別がより狡猾に行われ隠蔽されるようになってしまっていると思う」と現実社会での差別問題の根深さにも触れた。

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取材中もご機嫌で超仲良しな2人

 そして意外にも、差別する側を演じたウィルの役づくりで糧となったのは、いじめられる側を過去に経験していたことだったという。ウィルは「ジョエルが演じたオークは同僚の警官たちに疎まれるんだけど、フィラデルフィアで育った僕にはとても共感できた。僕自身いじめのターゲットにされたことがあったので、劇中ではどういじめればいいのかよくわかっていたよ」と笑顔を見せる。それにはすかさず、「カメラが回っていないときも、ウィルはいつも冗談で僕のことをいじめてきたんだよ」とこぼすジョエルだったが、「そういう撮影中以外でのユーモアが、スクリーン上に反映されたように思う。お互い全く異なるキャラクターを演じるのを楽しめたよ」と満足げ。ウィルも「ジョエルとの関係は、クラシックなハリウッドロマンスに似ていたよ。彼の(オークになった)メイクを見ると心の中がざわざわするんだ」とジョークを炸裂させつつ、信頼関係の深さをうかがわせた。

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 人間とオークのコンビが織りなす本作特有の撮影について「ハードで欲深いロサンゼルスの警官ドラマと、『ロード・オブ・ザ・リング』のようなクリーチャーにファンタジー要素が組み合わさったら、俳優に要求されるのは、風変わりなやりとりからコメディーにドラマまで、全く異なるタイプのパフォーマンスで、それは美しいスペクトルだったよ」と振り返りつつ、「冗談で監督のデヴィッド(・エアー)に言ったんだけど、劇中ボリウッドのミュージカルナンバーをかければ、僕らはこの映画で全てを網羅するんじゃないかって。それは『ブライト2』でかな?(笑)」と、続編にも意欲を見せるウィルだった。(編集部・石神恵美子)

Netflixオリジナル映画『ブライト』はオンライン配信中

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