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NHKドラマ、LGBTテーマ作品で理解の広まりに期待

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5月4日にNHK総合で一挙再放送も決定した「弟の夫」

 LGBTという言葉がある。レズビアン(Lesbian、女性同性愛者)、ゲイ(Gay、男性同性愛者)、バイセクシャル(Bisexual、両性愛者)、トランスジェンダー(Transgender、出生時の性に違和感を自認する性別越境者)の頭文字をそれぞれとった、セクシャルマイノリティ(性的少数派)の総称のひとつだ。

 どこかで耳にした記憶があるという人は多いだろう。映画やテレビドラマなどでも、これまで、LGBTを扱った作品はそれなりにあった。そして2018年に入り、公共放送のNHKで、LGBTをテーマにしたドラマが連続して放送された。

 ひとつは1月5日から全4回にわたって放送された、NHK総合・ドラマ10「女子的生活」だ。坂木司の小説を原作とし、俳優の志尊淳が、もとは小川幹生(おがわみきお)という名の男性で、いまは女性として生活する主人公のトランスジェンダー・みきを演じた。続いて、3月4日からBSプレミアムで全3回放送され、5月にNHK総合での再放送が決定した「弟の夫」。原作は田亀源五郎氏の同名コミックで、主人公・折口弥一(佐藤隆太)と、その娘、弥一の亡き弟の夫であるゲイのマイク・フラナガン(把瑠都)の一見不思議な「家族」の形を描いている。こうした流れには、何か理由があるのでは? そんな疑問を『弟の夫』の制作統括を務める須崎岳氏(NHKエンタープライズ。以下NEP)に投げかけてみた。

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 「実はたまたまなのです」と打ち明ける須崎氏。LGBTをテーマにしたドラマを続けて作ろうと意図していたわけではなく、大阪局制作の「女子的生活」とNEP制作「弟の夫」の制作時期が、ちょうど重なったのだという。「ただ、NHKでこれらの企画が通ったのは、社会でLGBTへの理解が進みつつあることの表れと言えるかもしれません」。しかし自身は、ゲイや同性婚のことを、「それなりに理解しているつもりでした。でもいざ取り組んでみると、今まで知らなかったことがたくさんありましたし、本当はよくわかっていなかったんだなと気づきました」と明かす。

 例えば、日本におけるゲイといえば、東京の新宿二丁目を思い浮かべる人も多いだろう。実際に二丁目は、ゲイの人々が多く集まる繁華街だ。そうすると私たちは、「ゲイの人なら、よく新宿二丁目に行くのだろう」と思ってしまう。だが、飲み会が好きで毎週繁華街に通う人がいる一方、飲み会が苦手で繁華街は避け家路へ急ぐ人がいるのと同じだ。当然のように、新宿二丁目は苦手、行ったことがないというゲイの人は多数いる。

 「弟の夫」の原作者である田亀源五郎氏は、番組ホームページで「自分と違う価値観や考え方の人間を、簡単に『わかった』とは言わなくてもいいんです。ただ『自分と違う人間がいる』ことを認識してもらえたらいいな、とは思います。セクシャルマイノリティーの違いも、個性であり、個人差だと」と語っている。

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 今年3月2日に、東京都世田谷区で、LGBTと外国人への差別を禁じる条例(「多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」)が成立したが、LGBTの存在が理解されはじめている一例といえる。もちろん簡単に、LGBTのことを「わかった」となるのは難しい。だが、この流れがさらに大きくなってゆけば、性的少数派とされるLGBTを、「多数派(マジョリティー)」の対義語としての「少数派(マイノリティー)」ではなく、それぞれの個性を持つ人々として、私たちはもっと軽やかに認識するようになるのかもしれない。(取材・文:中村広穂)

「弟の夫」は5月4日(金)NHK総合テレビにて一挙再放送(第1回 午後1時05分~、第2回 午後2時~、最終回 午後3時05分~)

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