NHKドラマ「シミュレーション～昭和16年夏の敗戦～」キャスト・あらすじ【まとめ】
本日より2夜連続で放送される池松壮亮主演のNHKスペシャル終戦80年ドラマ「シミュレーション～昭和16年夏の敗戦～」（NHK総合、前・後編で8月16・17日各21時～）。猪瀬直樹のノンフィクション「昭和16年夏の敗戦」を原案に、真珠湾攻撃の8か月前の1941年4月、国の指示の下、日本中から集められた若きエリートたちが、模擬内閣を作り、出身官庁や企業から機密情報を集め日本がアメリカと戦った場合のあらゆる可能性をシミュレートしていくさまを追う。演出は、主演の池松と映画『アジアの天使』『本心』などで長年タッグを組んできた石井裕也。本作のキャスト、あらすじを振り返ってみた。
あらすじ
昭和16年4月。平均年齢33才の、多くの若きトップエリートたちが緊急招集された。軍人・官僚・民間企業から選抜された彼らは、将来の日本のリーダーとなるべき人材を養成する目的で新設された総理大臣の直轄機関「総力戦研究所」に参加することになる。その目的は、軍事・外交・経済などの各種データを基に、日米が開戦した場合の戦局を正確に予測し、そのシミュレーション結果を近衛文麿首相、東條英機陸相をはじめとする本物の内閣の面々を前に報告することだった。
総力戦研究所の研究員たち
宇治田洋一（うじた・よういち／演：池松壮亮）
産業組合中央金庫（現・農林中金）調査課長。摸擬内閣では「内閣総理大臣」に指名される。軍への反感からシミュレーションに消極的だったが、厳しい現実を知り「開戦を避けるべき」と動き出す。
樺島茂雄（かばしま・しげお／演：仲野太賀）
宇治田と同じ民間出身で、同盟通信社政治部記者。摸擬内閣では「内閣書記官長兼情報局総裁」を担当。初めは宇治田の消極的態度を批判的に見るが、次第に彼の苦悩を理解していく。
村井和正（むらい・かずまさ／演：岩田剛典）
海軍少佐。海軍大学校を首席で卒業。摸擬内閣では「海軍大臣」を担当。アメリカとの国力の差を前に、日本が誇る「無敵の連合艦隊」も燃料の不足から長期戦に耐えられないと冷静に判断し、「勝てない」と意を決して訴える。
高城源一（たかしろ・げんいち／演：中村蒼）
陸軍少佐。摸擬内閣では「陸軍大臣」を担当。欧米列強に支配されるアジアで、いずれ植民地にされる前に日本は先に動くべきだと開戦を強硬に主張。だが宇治田の分析に驚がくし、現実を見定め始める。
峯岸草一（みねぎし・そういち／演：三浦貴大）
企画院物価局事務官。摸擬内閣では「企画院総裁」。“金で世界は動く”が持論。日本が南方の石油を武力で確保しても、工業力に勝るアメリカと敵対し窮地に陥ると説く。
総力戦研究所・幹部
板倉大道（いたくら・だいどう／演：國村隼）
陸軍少将。総力戦研究所の所長。仮に日米戦争が起こった場合の戦況を予測するため、軍・官僚・民間企業からエリートを集め、研究を開始。日本必敗との結論は政権トップに報告されたが、開戦を止めることはできなかった。
瀬古明（せこ・あきら／演：佐藤隆太）
陸軍中佐。機密情報を駆使し戦況や内外情勢の近未来を予測する特殊研究を考案。上官の板倉や東條に忠誠を示し、模擬内閣に厳しく接する一方、懸命に国の未来を探る若者たちを深く理解して見守る。
陸軍省・幹部
武藤章（むとう・あきら／演：中野英雄）
陸軍少将。軍務局長として陸軍省の軍略・政略の実務責任者だった。国力差から対米戦争は不利と考えて、外交による和平交渉を支援した。しかし、陸軍内で勢いづく開戦強硬派との衝突は避けざるをえなくなっていく。
西村良穂（にしむら・よしほ／演：江口洋介）
陸軍中佐。陸軍省軍務局高級課員。総力戦研究所を作ったメンバーの一人であり、宇治田と内密に通ずる。開戦に踏み切らざるをえなくなる東條の孤独に側近として寄り添いながらも、戦争回避を模索する。
東條英機（とうじょう・ひでき／演：佐藤浩市）
陸軍大臣のち総理大臣。開戦強硬派だったが首相就任後は天皇の意向で和平交渉を模索。開戦を求めて激化する世論や軍部と、天皇への忠誠の狭間で苦悩する。
宇治田の家族
宇治田小百合（うじた・さゆり／演：二階堂ふみ）
洋一の妹。夫は日中戦争で戦死した。娘の初子と実家に戻り、兄の洋一、弟の英二と4人で暮らす。両親が赴任した満州で軍と対立し謎の死を遂げて以来、権力に抗する兄を心配しつつ敬い支える。
宇治田英二（うじた・えいじ／演：杉田雷麟）
洋一と小百合の弟。作家志望で、兄とは異なり楽天的な性格。ようやく出版社への就職が決まった矢先、予想だにしなかった展開を迎える。
宇治田の上司
井川忠雄（いかわ・ただお／演：別所哲也）
宇治田が勤める産業組合中央金庫の理事。戦争回避のため渡米して、和平交渉の土台作りに尽力する。近衛首相や陸軍首脳にも近く、総力戦研究所設立に伴い、頭脳明晰な宇治田を研究員に推薦した。
内閣総理大臣
近衛文麿（このえ・ふみまろ／演：北村有起哉）
近衛首相の直属機関として設立された総力戦研究所が開戦後をシミュレートする一方、近衛は首脳会談での和平交渉を模索。しかし、統帥部や世論を抑えきれず、昭和16年10月に総辞職し、政権を手放す。
企画院
鈴木貞一（すずき・ていいち／演：嶋田久作）
企画院総裁。戦争遂行上の物資動員計画を立てる役目を担う。資源の乏しい日本開戦には消極的だが、つじつま合わせで石油確保量見通しを作り、それが開戦へ踏み切る根拠に使われる。
宮中
昭和天皇（演：松田龍平）
日米開戦当時、40歳。日中戦争が泥沼化するなか、欧米列強も敵にまわす主戦論を憂慮し和平交渉による戦争回避を求めた。だが「南方資源獲得で日本有利」との東條新内閣の説得で最終的に開戦を容認する。
木戸幸一（きど・こういち／演：奥田瑛二）
天皇最側近の内大臣として首相指名に影響力をもつ。近衛内閣が総辞職して皇族が首相候補になったとき、「万一最悪の事態になれば皇室が国民の恨みを買う」と反対し、代わりに東條英機を首相に推挙した。
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