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ストックホルム症候群の起源となった歴史的事件、イーサン・ホーク出演で映画化

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イーサン・ホークと再びタッグを組んだロバート・バドロー監督

 映画『6才のボクが、大人になるまで。』などのイーサン・ホークが出演し、現在トライベッカ映画祭(TFF 17th)で上映中の新作『ストックホルム(原題) / Stockholm』について、ロバート・バドロー監督が4月19日(現地時間)、ニューヨークのザ・ロキシー・ホテルで単独インタビューに応じた。

【作品写真】バドロー監督とイーサンのタッグ作『ブルーに生まれついて』

 本作は、1973年8月にスウェーデンの首都ストックホルムで実際に起きたノルマルム広場強盗事件を基に描いた作品。刑務所を仮出所したばかりのカイ・ハンソン(イーサン)は、ノルマルム広場にある銀行を襲い、銀行員ビアンカ(ノオミ・ラパス)を含めた4人を人質に、囚人仲間の解放と逃走用の車の用意を要求するが、警察がその要求を飲まなかったことで、一触即発の状況に陥っていく。1974年にニューヨーカー誌に掲載されたダニエル・ラングの記事「ザ・バンク・ドラマ」を、『ブルーに生まれついて』のバドロー監督が映画化。同事件がきっかけで、ストックホルム症候群(誘拐事件や監禁事件などの犯罪被害者が、犯人との間に心理的なつながりを築くようになること)という言葉が生まれた。

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 実在の強盗と本作の役名が異なっていることについてバドロー監督は、「ある意味で『狼たちの午後』と似ているかもしれないね。あの映画も実際に起きた事件が基だけど、実在の人物とは名前が変えられていた。でも実際に起きた事件として重要な部分は、映画内でしっかり捉えられていたんだ」と説明。今作も細かい相違点は違和感がない。

 映画内では、ノオミ演じるビアンカが母親のために夫に魚の調理の仕方を教えているシーンがあるが、実際の事件の人質はそんなことができたのだろうか。「実際の事件では、強盗は人質たちに頻繁に自宅に電話することを許可していたらしいんだ。人質という極限の状況下で、ごくありふれた行動を取ることで、実際の人質たちも正気を保っていられたのかもしれないね。だから、映画内でも、子供を持つ母親であるビアンカが最も懸念しているのは夕食なんだ」とバドロー監督。映画内で描かれる多少クレイジーで不可思議な出来事は、実際にノルマルム広場強盗事件で起きたことだそうだ。

 スウェーデンの犯罪史上、初めてテレビで生中継された点でも歴史的な本事件だが、最も興味深いのは、人質が強盗犯をかばおうとしたことだろう。それについてバドロー監督は、「人質と強盗の間で起きたどこか不可思議で、興味深い関係は、僕自身も今作でフォーカスしたかった部分なんだ。彼ら人質と強盗は、銀行から出てきた時、抱擁していた。それこそが、まさにストックホルム症候群だよね。もしそれが起きていなければ、単なる人質と強盗の関係として扱われていたと思う。90分の映画では、どの部分を掘り下げるか決めなければいけないから、あえて僕は、人質と強盗犯の関係にフォーカスしたんだよ」と明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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