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子供たちの人生を救ったスポーツプログラム、設立したヒップホップスターが経緯を語る

左から、元NFLチャド・ジョンソンと、アンクル・ルークことルーサー・キャンベル
左から、元NFLチャド・ジョンソンと、アンクル・ルークことルーサー・キャンベル

 ヒップホップグループ、2ライヴ・クルーのアンクル・ルークことルーサー・キャンベルが、製作総指揮を務めた新作ドキュメンタリーシリーズ「ウォリアーズ・オブ・リバティ・シティ(原題) / Warriors of Liberty City」について、9月4日(現地時間)、ニューヨークのAOL開催イベントで元NFL選手チャド・ジョンソンと共に語った。

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 本作は、ルーサーが20年以上前に貧困、ドラッグ、銃撃事件などの問題を抱えるマイアミのリバティ・シティ地区に、「Liberty City Optimists」というスポーツのプログラムを立ち上げ、その後、逆境だらけの環境の中で、NFL選手を最も多く輩出する地区になった経緯を、コーチ、4~13歳の選手たち、そして両親などへのインタビューを通して描いたテレビシリーズ。

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 高校に入る前にフットボールチーム「Liberty City Warriors」に入っていたというチャド。当時は、ルーサーたちが『Liberty City Warriors』という感情のはけ口を与えてくれたことがとても嬉しかったと語る。「僕が少年だった頃、リバティ・シティは(銃撃事件が頻繁に起き)まるで戦地のようだったんだ。僕は学者になれないのはわかっていたから、右側の(ギャングのいる)ストリートか、左側のスポーツ(『Liberty City Optimists』)の選択しかなかったんだ。祖母からサポートを得られたことで正しい道を選択でき、さらに父親的な存在となった『Liberty City Warriors』のコーチたちを通して、この街から(成功者として)出ることができたんだよ」。

 ルーサーの子供の頃もまた、サウス・ビーチでの黒人の犯罪が多いため、夜6時以降、黒人男性や女性が徘徊(はいかい)していると逮捕されるという人権を無視したルールが作られていたことがあったと話す。「もちろん、今はそんなルールはないけれど、そんな状況のときもあったんだ。だから、当時から昼飯などのお金を貯金しながら、いつかこのようなプログラムを立ち上げ、サウス・ビーチに黒人の子供たちがちゃんと居られるような環境にしたかったんだ」。だが、2ライヴ・クルー時代のアンクル・ルークことルーサーは、怒りの言葉やわいせつな言葉を濫用した歌詞が多かったため、そんな彼が若者のためにスポーツプログラムを立ち上げたことは、意外に思われていたそうだ。

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 今作では製作総指揮を務めているルーサーだが、作品には撮影当初から関わったという。「NBA選手レブロン・ジェームズや、彼の代理人のマーヴェリック・カーターなども関わってくれて、Starz(アメリカのケーブルテレビ向けのプレミアチャンネル)が製作することになったんだ。不幸なことに、この業界では自分が思い描いていたものとは異なるものが出来上がってしまうこともある。だから、クリエイティブの権限をちゃんと自分で保有しながら、フィルムメイカーと話し合いを重ね、手掛けていったんだよ」。

 監督を務めたエヴァン・ローゼンフェルドとは、テレビシリーズ「Vice World of Sports」でもタッグを組んでおり、PGA賞などを受賞したこともあり、今作ではより大きなプロジェクトを手掛けようと思っていたそうだ。シリーズ内では、少年たちの家族の日々の生活との葛藤など、ルーサーが伝えたいと考えるものがしっかりと細部まで描かれている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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