アヌシー映画祭グランプリは切断された手が持ち主を探すユニークな作品

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ジェレミー・クラパン監督『アイ・ロスト・マイ・ボディ(英題) / I Lost My Body』のワンシーン。

 フランスで開催されていた第43回アヌシー国際アニメーション映画祭の受賞結果が現地時間15日に発表され、長編コンペティション部門のクリスタル賞(最優秀作品賞)にジェレミー・クラパン監督『アイ・ロスト・マイ・ボディ(英題) / I Lost My Body』(フランス)に贈られた。同作は今年のカンヌ国際映画祭批評家週間でグランプリを獲得し、Netflixが権利を獲得した話題作。日本勢は受賞を逃した。
 
 『アイ・ロスト・マイ・ボディ(英題)』は、フランス映画『アメリ』(2001)の脚本家として知られるギョーム・ローランの小説「Happy Hand」が原作で、ローランはクラパン監督と共に共同脚本としても参加している。主役は切断された手で、医療ラボから脱走して持ち主の青年を探す旅に出る。その過程でモノに触れては記憶を呼びさまし、徐々に青年の半生と恋の物語が明かされていくというユニークなストーリー展開が魅力だ。

スタッフや審査員と記念写真に収まる『アイ・ロスト・マイ・ボディ(英題) / I Lost My Body』のジェレミー・クラパン監督(写真前列右から2人目) Photo : ANNECY FESTIVAL/E. Perdu

 クラパン監督は過去、3本の短編を引っさげて本映画祭に参加している。そのうち、頭に隕石が落ちて以来、自分の体が実際より91cm離れた場所に存在するようになる男の苦悩を描いた短編『スキゼン』(2008・日本未公開)は、本映画祭で観客賞を受賞したのをはじめ、世界80か所以上の映画祭で受賞を重ねた実績を持つ。今回は待望の長編デビュー作だ。

受賞者と審査員たち Photo : ANNECY FESTIVAL/E. Perdu

 スタジオポノック西村義明プロデューサーら3人の審査員は「この映画は、アニメーションでしか実現できない方法で、わたしたちの中に新たな場所を作り、新たな意識を植え付けてくれました。わたしたち3人に同じ感情と感覚を与えてくれたのです」と評し、 クラパン監督らを讃えた。また本作は観客賞も受賞と、2冠に輝いている。早くも米アカデミー賞長編アニメーション部門へのノミネートが有力視されている。

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サルバドール・シモ監督『ブニュエル・アプレ・ラージュ・ドール(仏語) / Bunuel apres l'age d'or』は、スペイン出身のルイス・ブニュエル監督の映画製作の苦悩をアニメ化。

 第44回アヌシー国際アニメーション映画祭は2020年6月15日~20日に開催。来年は、1960年の初回から60年の記念を迎え、アフリカ・アニメーションを特集する。(取材・文:中山治美)

ブリュノ・コレ監督『メモラブル(原題) / Memorable』のワンシーン。

主な受賞結果は以下の通り。

【長編コンペティション】
●クリスタル賞&観客賞
ジェレミー・クラパン監督『アイ・ロスト・マイ・ボディ(英題) / I Lost My Body』(フランス)

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●ジュリー・ディスティンクション(審査員による栄誉)

サルバドール・シモ監督『ブニュエル・アプレ・ラージュ・ドール(仏語) / Bunuel apres l'age d'or』(スペイン・オランダ)

【コントルシャン賞】
(Contrechamp:今年新設された、より個性ある長編作品が対象)

ギンツ・ジルバロディス監督『アウェイ(原題) / Away』(ラトビア)

【短編部門】
●クリスタル賞&観客賞

ブリュノ・コレ監督『メモラブル(原題) / Memorable』(フランス)

●審査員賞
レジーナ・ペソア監督『アンクル・トーマス:アカウンティング・フォー・ザ・デイズ(英題) / Uncle Thomas: Accounting for the Days』(カナダ・フランス・ポルトガル)

●オフ・リミッツ賞
トーマス・レトルトナー監督『ドント・ノウ・ホワット(原題) / Dont Know What』(オーストリア)

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