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伊藤健太郎、コロナ禍で初めて向き合った将来

映画やドラマで引っ張りだこの伊藤健太郎(ヘアメイク:伊藤ハジメ/スタイリング:前田勇弥)
映画やドラマで引っ張りだこの伊藤健太郎(ヘアメイク:伊藤ハジメ/スタイリング:前田勇弥) - 写真:日吉永遠

 渡辺航の人気コミックを実写映画化した『弱虫ペダル』で、自転車競技に青春を懸ける高校生を演じた俳優の伊藤健太郎。コロナ禍で撮影が一時中断するなど厳しい状況に立たされていたが、伊藤自身も長引く自粛生活のなかで、俳優として、一人の人間として、人生で初めて“将来”のことに思いをめぐらせたという。これまで今日を生きることで精一杯だった伊藤に、突如訪れた心の変化とは?

伊藤健太郎の爽やかスマイル!【インタビューカット】

 NHKの連続テレビ小説「スカーレット」ではヒロイン・喜美子(戸田恵梨香)の息子で若くして白血病に命を奪われる青年・武志を好演し、日本中を涙で濡らした伊藤。同ドラマを皮切りに、2020年は『今日から俺は!!劇場版』『宇宙でいちばんあかるい屋根』『弱虫ペダル』といった映画作品や、ドラマ「ピーナッツバターサンドウィッチ」「東京ラブストーリー」など出演作が列をなし、まさにトップギアで駆け抜けるはずだった。

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 そんなときに、突然やって来た新型コロナウイルスのパンデミック。自粛生活によって減速を余儀なくされた伊藤は、「忙しいことはとてもありがたいこと」と感謝の言葉を前置きしながら、「ただ、ちょうどそのころ、2時間睡眠がずっと続いていて、心身ともに限界に近づいていたので、正直『少し休めるのかな』って、ほんの少し思ってしまった」と本音をポロリ。

 巣ごもり期間中は、「自炊してましたね。あとは映画を観たり、ゲームをしたり、リモート飲みはしなかったんですが、1人でお酒を嗜んだり……完全に昼夜が逆転し、結構ダラダラな生活でした」と明かす。

 ただ、気持ちの面でリラックスできたのは最初の1~2週間だったそう。「やっぱり、仕事を一切していないので、だんだん不安の方が増してきて。今まで先のことなんて全く考えたことがなかった……というより、考えたくもなかったんですが、時間にゆとりができたことで、人生で初めて『将来』のことをあれこれ考えましたね」と述懐する。

 「結構、漠然としたことなんですが、俳優としてこのままでいいのかとか、これからどんなチャレンジをすればいいのかとか、10年後、20年後、30年後の自分はどうなっているのかとか。答えは出ないんですが、そんなことを悶々と考えていました」

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 今回は、たまたまコロナ禍による自粛だったが、「こういうことが起きると、真っ先に僕らの仕事は止まってしまうんだ、ということを改めて実感した」という伊藤。「これからも、何かの理由で急に仕事が無くなることがあるかもしれないと思うと、急に恐くなってきた」と語る一方で、「最初は、『休めてよかった』なんて不謹慎なことを思っていましたが、今日、取材を受ける中でいろんなことを皆さんにお話しさせていただけることに、すごく幸せを感じています」とニッコリ。「ただ、気持ちとは裏腹に、自粛生活が長かったせいか、いつものスイッチがなかなか入らないんですが……そこはすみません、お許しください!」と、最後は満面の笑みを見せていた。

 そんな伊藤が出演する映画『弱虫ペダル』は、累計2,500万部を突破した人気コミックを、『旅猫リポート』などの三木康一郎監督が映画化した青春スポーツドラマ。運動が苦手なアニメ好きの高校生・小野田坂道(永瀬廉King & Prince)がひょんなことから自転車競技部に入部し、同級生の今泉俊輔(伊藤)をはじめとする仲間たちのために限界突破の活躍を見せる。(取材・文:坂田正樹)

映画『弱虫ペダル』は全国公開中

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