仲村トオル、18年前の自分に「感じが悪かった」 撮影の不安と恐怖振り返る

東京フィルメックスのオープニング作品『愛のまなざしを』のQ&Aに登壇した仲村トオル
東京フィルメックスのオープニング作品『愛のまなざしを』のQ&Aに登壇した仲村トオル

 俳優の仲村トオルが30日、「第21回東京フィルメックス」のオープニング作品『愛のまなざしを』(2021年公開)上映後に行われたQ&Aイベントに杉野希妃万田邦敏監督とともに来場し、本作で4度目のタッグを組んだ万田監督に「絶大なる信頼がある」と語った。映画上映前には本作の舞台あいさつも行われ、そこには3人のほかに中村ゆり片桐はいりも来場した。

【写真】オープニングセレモニーの様子

 『接吻』(2006)などの万田邦敏監督がメガホンをとった本作は、6年前に妻・薫(中村)を亡くし、そのショックから立ち直れない精神科医・貴志(仲村)と、謎めいた患者・綾子(杉野)の出会いを描くラブストーリー。プロデューサーを務めたのは、ヒロインを務める杉野。万田監督と、妻の万田珠実が脚本を担当した『UNloved』(2002)『接吻』といった作品群のファンだったという杉野から、「精神科医と患者が恋に落ちて、そこから……」という物語をやりたいというリクエストがあり、今回の映画制作が実現した。

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愛のまなざしを
開会式より。片桐はいり、中村ゆり、仲村トオル、杉野希妃、万田邦敏監督

 万田監督と『UNloved』『接吻』『ありがとう』(2006)で組んできた仲村は「脚本を読んだときは間違いなく難しい役だろうな」と感じたというが、「ただし万田監督に絶大なる信頼があったので。難しそうだなと思いましたけど、撮影のスケジュール以外は不安がありませんでした」と笑う。その言葉通り、本作の撮影期間は12日間という短期間だったが、「クランクイン前に本読みとリハーサルを丁寧にやって準備はしていたので、そんなに短かった印象はないですね。万田監督は決断が早いので」と振り返った仲村。

 万田監督も「最初は1日で10分程度のオッケーテイクが撮れるのかと心配でしたけど、やってみたら意外とスイスイ、サクサクと撮ることができて。揚げ句に(時間が余ったので)その日に予定していなかった、ものすごく重要なシーンをトオルさんにやってもらったこともありました。こんな重要な芝居を急にやらせるのかと、内心、めちゃくちゃ怒っていたんじゃないかと思うんですが……」と述懐。そのシーンは、貴志がとある人物に電話をかけ、感情を大きく揺さぶられるシーンで、万田監督自身も「あの芝居が本当に良かったんですよ。いわゆるワンカットで撮ったシーンなんですけど、長いアップで一発で撮って。すごくいいなと思っていました」と印象に残るシーンとして挙げていた。

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 万田監督は仲村との関係について「仲村さん自身はそんなに変わっていないと思いますが、だんだん親しくなって。関係性は変わっていったと思います。だからこちらも要求しやすくなった」といい、「ただ今回は。仲村さんのお芝居に現場で魅入られちゃって。すごくいいなと思っていました」と心底仲村にほれ込んだ様子。

 一方の仲村はこの日のイベントのために『UNloved』(2002)のメイキング動画を久々に観たという。「あの時の僕のインタビューの態度は、感じが悪かったなと思いました」と笑う仲村は、「それはなんでかと考えたんですが、あの時はどういう映画になるのか予想ができなくて。その不安と恐怖で『自分は分かっているけどね』といった虚勢を張っていたんだろうなと思います」。さらに「『接吻』の時は脚本を読んで、これはすごい映画になると思っていましたが、完成した映画は予想以上だった。そういう意味で今回も予想以上の映画になったなと思います」と胸を張った。(取材・文:壬生智裕)

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