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森田望智「全裸監督」で一変した女優人生

森田望智、「全裸監督 シーズン2」黒木香の新しい一面を語る インタビュー » 動画の詳細

 Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督」のシーズン2が6月24日から配信される。2019年に配信されたシーズン1で、実在のアダルトビデオ監督・村西とおるにふんした山田孝之の怪演もさることながらセンセーショナルだったのが、セクシータレントの元祖とも言える黒木香を演じた森田望智(24)。ほとんど無名だった若手女優が圧倒的な存在感で場をかっさらった。シーズン2の配信を前にして、充実のキャリアや演技への思いを語った。

【動画】インタビューの様子

「全裸監督」出演につながった大きな転機

「全裸監督 シーズン2」より黒木香(森田望智・中央左)、村西とおる(山田孝之・中央右)

 「全裸監督 シーズン1」以降、映画『ジオラマボーイ・パノラマガール』やNHK BSプレミアムの連続ドラマ「一億円のさようなら」で重要な役を演じ、FODの配信ドラマ「あの子が生まれる…」では主演を務めた森田(すべて2020)。「『全裸監督』の前はあまり仕事がなかったので、本当にガラリと環境が変わりました」と笑う。「オーディションを受けなくても役をもらえることがどれだけ凄いことなのかを身に染みて実感していますし、一つ一つの役が改めて大切になりました」

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 「全裸監督」で彼女の演技力に驚嘆した人は多いが、本人は下積み時代を振り返って「なぜかお芝居には自信があった」と告白する。「演技が出来ると思い込んでいたんです。でも松永大司監督(『トイレのピエタ』『ハナレイ・ベイ』)のワークショップに参加したときに、自分の勘違いに気づかされて、いかにできないかを思い知りました。そこからオーディションの取り組み方も、人生に対しても、両親の対する接し方までもガラリと変わったように思います」と大転機になった体験を明かした。

「全裸監督」で準備期間の大切さを痛感

森田望智

 松永監督との出会いが「全裸監督」のオーディションに受かるきっかけになったとも言う森田だが、「全裸監督」の経験はさらに演技の次の扉を開くことになった。「シーズン1では、撮影が始まるまで3か月か4か月くらい準備期間があったんです。その中で資料を読んだり、実際の黒木さんの本を読んだり、動画を見たり、バックグラウンドを考えたり、それまでにないくらい時間をかけて準備ができたんです。それまでは一生懸命やっているつもりでも、実はまったく足りてなかった。役づくりのために時間がかける大切さがすごくわかったんです」

 役を演じることを「役を生きる」と表現する森田。「基本的には、どれだけやっても足りない」とストイックな姿勢を覗かせる。「どの役にも当たり前に生きてきた蓄積があるはずで、幼少期の記憶から何からを、自分の記憶と同じくらいの濃度で思い出せないと、本当の意味でその役を生きられないと思うんです。だからどの役も、自分の中で完璧になることはないだろうなと思っています。ただ、『全裸監督』で役を生きてから、役づくりや準備に取り組む姿勢は明らかに濃くなったと思いますね」

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シーズン2で見せる黒木香の変化

アドリブでしゃべり続けたという冒頭の演説シーン

 シーズン2で「全裸監督」は別の方向へと大きく舵を切る。シーズン1は、村西と村西軍団(満島真之介玉山鉄二柄本時生伊藤沙莉後藤剛範)が何者でもなかったところからのし上がるサクセスストーリーだった。しかしシーズン2では、我が世の春を謳歌していた彼らに崩壊の予感が押し寄せる。それは森田演じる黒木も例外ではない。

 シーズン2での自身の役どころについては、「恵美という女性が自由を求めて黒木香になったのに、黒木香という殻みたいなものから出られなくなる」と説明する。「黒木という人格を作りすぎて、どれが本当の自分がわからなくなってしまっているんです。そして自分を閉じ込めてしまった殻を破って、また恵美に戻っていく。それもシーズン1の恵美ではなく、新しい恵美に進化するというイメージで演じました」

 シーズン1で視聴者を驚かせた黒木香独特の口調や仕草も、相変わらず緻密な精度で再現しているのだが、あくまでも“作品の中の黒木香”として演じていたという。「バラエティー番組のシーンなど、寄せたところはありますが、実際の黒木さんとは違う部分もいっぱいありますし、あまりそこにはとらわれないようにしていました。すでにシーズン1の黒木香像があるので、そっちの黒木さんだったらどうするのか、どうなるのかということを考えて演じていたんです」

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 当たり役となった黒木もシーズン2で一段落。「全裸監督」との出会いは「本当に奇跡」だと思っているという。「タイミングもあれば年齢もありますし、自分が求めている役と求められている役とがピッタリ合うことは滅多にないし、その奇跡が何回も起きるわけではないと思っています」と冷静に捉えている。ただし「次の奇跡」に繋げられるように、「自分ができること全力でやり続けていきたい」とあくまでも前向きだ。

 「芝居は作品の一部なので、演技以外の部分でも作品に関わることに興味がある」と話しつつ、「でも脚本を書けと言われても、一文字も書けません」とぶっちゃける森田。「これはわたしの考え方ですが、監督や脚本家の方には絶対的な信頼を置いているので、自分のこだわりよりも、シーンに必要な部分を足したり、埋めたりできるようにと心がけています」と演技論を語る。

 「ただ、シーズン2の冒頭で演説するシーンがあるんですが、山田さんとリリー(・フランキー)さんが話している場面では、台本にセリフはなかったのですが、黒木さんなら喋り続けると思って演説し続けたんです。でもカットがなかなかかからず、さすがに『長い……!』って思いましたけど」と屈託ない笑顔で撮影の苦労話を明かした。(取材・文:村山章)

Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督 シーズン2」は6月24日より全世界独占配信

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