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磯村勇斗「何食べ」ジルベール役は「ずっとじゃんけんしている感じ」

磯村勇斗
磯村勇斗 - 写真:杉映貴子

 累計発行部数840万部(電子版含む)を突破するよしながふみの人気漫画をテレビドラマ化した「きのう何食べた?」で、小悪魔的キャラクターのジルベールこと井上航役を見事なハマりぶりで演じ、視聴者を釘付けにした磯村勇斗。ジルベールと彼に振り回されてタジタジとなる恋人・小日向大策(山本耕史)とのやり取りは、シリーズの名物シーンと言えるほど人気となっているが、磯村は「ジルベールと大ちゃんでなければ成立しないやり取り」と笑いながら、芝居としては「ずっとじゃんけんをしている感じ」だと現場の熱気を振り返る。『劇場版 きのう何食べた?』の公開を前に、磯村がジルベールを演じるにあたっての役づくりの秘密や、西島秀俊内野聖陽、山本といった先輩俳優から受けた刺激を明かした。

【動画】磯村勇斗、「何食べ」ジルベールを語る

ジルベールから学んだ“本音”の大切さ

『劇場版 きのう何食べた?』より磯村勇斗演じるジルベールこと井上航(C) 2021 劇場版「きのう何食べた?」製作委員会 (C) よしながふみ/講談社

 本シリーズは、料理上手で倹約家の弁護士・シロさんこと筧史朗(西島)とその恋人で人当たりのいい美容師・ケンジこと矢吹賢二(内野)のほろ苦くも温かい日常を日々の食卓とともに描く物語。2019年4月クールにテレビ東京系列で連続ドラマが、翌元旦にスペシャルドラマが放送され、このたびファン待望の劇場版が公開となる。シロさん&ケンジ、小日向&ジルベールのカップルは連ドラ版から交流を深めており、4人で食事を楽しんだりする間柄。その中でジルベールは毒舌キャラとして言いたい放題、ワガママ放題で周囲を引っ掻き回す役どころだ。ジルベールのあだ名の由来は、小日向が航のことを竹宮惠子の漫画「風と木の詩」に登場する美少年ジルベールに似ていると思っていることから。磯村は「ジルベールは一度演じているキャラクターなので、劇場版として再び演じる上でも安心感があって、ホームに戻っていくような感覚がありました」とすっかり自分に馴染んだキャラクターとなった様子。

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 ジルベールは毒舌を放ちながらもどこか憎めず、視聴者にとっても愛すべき存在となった。磯村は彼の魅力について「ジルベールは、この作品の中で代弁者だと思うんです」と分析。「伝えづらいことや普通なら遠回しに言うようなことも、ジルベールはスッと言えてしまう。それによって筧さんやケンちゃんも心を揺さぶられたり、また一つ人生の奥行きが見えてくることもある。ジルベールは確かに鼻につくしワガママで面倒臭いところはありますが(笑)、ストレートに物事を言えるところはとても魅力的だと思います」と語り、「僕自身、建前ではなく、時には本音でまっすぐに気持ちを伝えることって大切なんだなとジルベールから勉強させてもらった気がしています。ジルベールのような政治家が出てきたら社会が変わるかもしれませんよね」と勇気ももらったという。

 演じる上で大事にしているのは、「ジルベールが、世間から同性愛者という目で見られる厳しさもわかっている人だということ。そして大ちゃんが大好きだということ」だと明かす。「親の愛を受けていないのでこじらせてしまっている部分もあるけれど、とてもかわいい人だと思います」とジルベールに愛情を傾けながら、インパクト大のビジュアルについては「不衛生感を大事にしています」とお茶目にニッコリ。「髪はボサボサ、無精髭も生えているし。身だしなみはあまり気にしないけれど、キモカワなものには目がない。そういったところもかわいいなと思います」と目尻を下げていた。

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山本耕史のアドリブにびっくり!ベテラン勢との宝物のような日々

恋人同士の小日向(山本耕史)と航

 ジルベールがアイスを食べたいといえば、彼の虜となっている小日向は夜中でも探し回るなど、“ジルベールのワガママにぶんぶんと振り回される小日向”という構図が、最高に面白い。本シリーズではキャスト陣がしっかりと役を自身に染み込ませつつ、撮影現場ではたくさんのセッションを重ねながらシーンを作り上げていくという。

 アドリブを交えながら自由に演じていく場面もあるそうだが、磯村は「毎回予想もしない角度から、山本さんのアドリブが入ってくるんです。山本さん、本当に引き出しがたくさんあるんですよ! それをどのように受けていくかがいつも楽しみで。そういったときにこそ、本当のジルベールが見えてくるような気もしています」と楽しそう。「あの二人でなければ成立しないやり取りだし、あの場であれば何を言ってもいいんじゃないかな? という気持ちになってくる。芝居としては、ずっとじゃんけんをしている感じですね。お互いにそれぞれの芝居をしっかりと受けて返していく。永遠に続けようと思えば、続けられると思います」と山本との駆け引きに充実感をにじませる。

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 磯村にとっては、西島や内野、山本といった錚々たる先輩俳優と豊かな芝居を交わすことができた、貴重な現場となった。「4人のシーンは、最初こそ緊張していましたが、行くたびにものすごく楽しくなって。『ここでこのセリフを言ったほうがいいんじゃないか』などみなさんからアドバイスをいただいたり、『僕はこう思います』と意見も出せる現場でした。本音で話し合って、“現場でみんな一緒になって作っている”という感じをものすごく味わえた。先輩たちはどんなことでも受け入れてくださって、『何をしてもいいよ』と言ってくださったんです。だからこそ、『失敗してもいいや』ぐらいの気持ちで思い切りジルベールを演じることができました。そういった意味では、お三方にジルベールを一緒に作っていただいたと思っています。本当にすばらしい経験をさせていただきました」

漫画原作の実写化に臨む覚悟

 原作ファンからも支持を集めるジルベールを作り上げた磯村。ドラマ&映画『今日から俺は!!』の相良猛役や映画『東京リベンジャーズ』の千堂敦役など、あらゆる人気漫画の実写化でも存在感を発揮しているが、「どういった人物なのか、どういう表情をするのかなど、原作には役を演じる上でのたくさんのありがたいヒントがある」と吐露。「漫画は漫画として、映画は映画としての良さも楽しんでほしい」という気持ちもありつつ、「原作のある作品には、ものすごく愛情を持っているファンの方もいらっしゃる。だから『原作を超えていない』といった意見もきっとあるはず。そのぶん覚悟を持って臨まないといけないと思っています」と話す。

 ジルベール役の反響は自身も肌で感じているという磯村。「ジルベール役を受け取った当初は、同性愛者をテーマにしているということで、背負うものや責任を感じました。作品の方向性を間違えてしまうと、当事者の方が違和感や反感を覚えてしまうような作品になってしまう可能性もある。『きのう何食べた?』はたくさんの方に応援していただける作品になって、とてもうれしいです」としみじみ。「『ジルベールが好き』と言ってくださる方がたくさんいるのも、本当にうれしいです。でもそこに溺れることなく、これからも突き進んでいきたいです」と力強く宣言していた。(取材・文:成田おり枝)

『劇場版 きのう何食べた?』は11月3日より公開

磯村勇斗、まっすぐなジルベールから学んだこと『劇場版 きのう何食べた?』インタビュー » 動画の詳細
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