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西島秀俊、21年の締めくくりは「99.9」!躍進の1年振り返る

『99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE』より
『99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE』より - (C) 2021『99.9-THE MOVIE』製作委員会

 エンターテインメント作品から、作家性の強い作品まで、テレビ、映画と2021年は質量ともに圧倒的な存在感を見せた俳優・西島秀俊。50歳という節目の年に、改めて「初心に戻ろう」と思ったという西島が、充実の1年を振り返った。

【写真】松本潤とは初共演!

観客に楽しんでもらうためにアイデアを出し合う「99.9」

ドラマ「MOZU」シリーズや映画『クリーピー 偽りの隣人』など共演の多い香川照之との絡みにも注目

 2021年は連続テレビ小説「おかえりモネ」、大ヒットドラマを映画化した『劇場版 きのう何食べた?』(2021)、現在放送中の主演ドラマ「真犯人フラグ」など出演が相次ぐ西島。多忙な西島の2021年を締めくくり、2022年につなぐ作品が、映画『99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE』(公開中)だ。松本潤が主演を務めた本作は、日本の司法制度において検察に起訴された刑事事件は99.9%有罪になるという常識に、果敢に抗おうとする弁護士たちの姿を描いた物語。連続ドラマとして2シーズン放送後、29日放送のスペシャルドラマを経て、待望の映画版が公開された。西島は清濁入り混じった謎の弁護士・南雲恭平役としてシリーズに彩を加える。

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 「SEASONIのころから(弁護士・佐田篤弘役の)香川照之さんや(パラリーガル・藤野宏樹役の)マギーさんから、松本さんの豪快で繊細なお芝居の話を聞いていましたし、僕は(本作のメガホンをとる)木村ひさし監督の現場も経験していましたので、急に飛び込むというような構えた感じはなかったんです」

 この言葉通り、西島と木村ひさし監督は、2019年の単発ドラマ「名探偵・明智小五郎」(第1夜・2夜)、2021年の連続ドラマ「シェフは名探偵」(テレビ東京)や、2019年公開の映画『任侠学園』など度々タッグを組んでいる(『任侠学園』の侠は旧字体が正式表記)。木村監督と言えば、現場で生まれたアイデアを積極的に取り入れていくスタイルが特徴的だ。

「この作品でも、アイデアがどんどん差し込まれていくのですが、それにプラスして、松本さんや香川さんといったレギュラー陣が、より積極的に作品作りに参加されているので、これまでの木村監督の作品より、さらにダイナミックでライブ感が増しているような気がしました」

 本作での西島は、物語における緩急のなかで、シビアな部分を担っていたため、木村節を体現する場面はほぼなかったというが「とにかくスタッフ、キャストが観客に楽しんでもらおうという共通の意識のなか、真剣に作品に向き合っている姿勢には、大きな刺激を受けました」と充実した撮影だったことを明かす。

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50歳になって「初心に戻る」ことの大切さを実感

  “事実を追求する”という骨太なテーマをポップに表現する本作をはじめエンターテインメント性の強い作品、さらには今年8月に公開された主演映画『ドライブ・マイ・カー』など作家性の強い作品など、西島にとってはまさに充実一途の2021年だった。

 「今年公開された作品というのは、世界的にこういう世の中になり、撮影がストップして完成するかも分からないという状況下で作られたものが多かったと思います。だからこそ、現場でスタッフさんと作品が作れるという喜びを感じながら撮影したものであり、そこには『とにかく観ていただける方に楽しんでもらいたい』という強い思いがありました。それって、この仕事を始めたときに感じていた気持ちであり、ちょうど50歳という年齢になったとき、改めて『初心に戻ろう』と誓ったばかりだったので、何か特別なものを感じました」

 特に『ドライブ・マイ・カー』は、日本で初の脚本賞受賞の快挙を成し遂げたカンヌ国際映画祭をはじめ、アカデミー賞前哨戦となるニューヨーク映画批評家協会賞やLA批評家協会賞で作品賞を受賞。世界各国で高い評価を得ており、第94回アカデミー賞国際長編映画賞の最終候補作15作品に残っている。

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 「(メガホンをとった)濱口竜介監督は、才能はもちろん人間的な部分も含めて、世界的な監督になると思っていたので、いまそのプロセスを目の当たりにしていることに感動しています。本当にすごいものを見させてもらっています」

若いスタッフから「結構怒られています」

朝ドラ「おかえりモネ」ではニアミスだった蒔田彩珠と親子役で共演!

 以前から「僕は順調にキャリアを積んできたタイプではない」と語っていた西島。だからこそ、俳優になったときの気持ちを忘れず「初心」に戻って俳優道に向き合う。2022年は俳優デビューから30年となるが「いまだに結構怒られるんですよね」と苦笑い。

 ベテランの西島が「怒られる」というのは意外に感じるが「ありがたいことに自分より若い監督やスタッフ、プロデューサーと組ませてもらうことがあるのですが、よく『何やっているんですか!』とか『もっとこうしてしてください』って言われます(笑)」と語る。

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 もちろん、若いスタッフが意見を言いやすい雰囲気を作っているのは西島の柔軟な人間性ゆえと思われるが「みんな『これがやりたい』という強い思いで作品に参加している。僕のことも、僕自身よりしっかり分かってくれている。だから僕も『どうしたらいい?』って聞いてしまうんです。それで『いいね! その意見もらうね』と取り入れさせてもらうこともあります。良いものを作ろうと貪欲に取り組む人たちに囲まれているのは、幸せなことです」と周囲への感謝を忘れない。

 自身のひたむきな努力、それをしっかり受け止めるスタッフ。そんな環境のもと出来上がった『99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE』が年末に公開され、2022年が幕を開ける。西島は「すごく楽しくてスカッとする、良心というものを信じられる映画になっています」と作品をアピールし、「皆さんいろいろと大変なことはあると思いますが、この映画を観て気持ちよいスタートを切っていただければ」と作品に込めた思いを語った。(取材・文:磯部正和)

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