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最後の錬成のこだわり!『鋼の錬金術師 完結編』山田涼介渾身の一作

山田涼介
山田涼介 - (C) 2022 荒川弘/SQUARE ENIX (C) 2022 映画「鋼の錬金術師2&3」製作委員会

 2017年に劇場公開された映画『鋼の錬金術師』が、約5年の歳月を経て『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』の完結編二部作としてスクリーンに帰ってきた。6月24日公開の後編『最後の錬成』が、関係者向けに一足先に公開され、その全貌が明らかになった。原作を最後まで実写化するという強い思いで臨んだ主演の山田涼介曽利文彦監督が作品に込めた思いとは。

【写真】山田涼介の宝物!「鋼の錬金術師」オリジナルの原画

 世界中で人気を博している荒川弘のコミックを実写化した本作。二部作で展開される完結編の前編『復讐者スカー』では、原作でも人気の高い“傷の男(スカー)”のエピソードが、そして後編『最後の錬成』では、原作のクライマックスとなる“お父様”との戦い、さらには決戦後のエドとアル、そして彼らの仲間たちの姿が描かれる。

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 2017年に公開された映画『鋼の錬金術師』を撮影中から「原作を最後まで実写映画化したい」という強い思いを抱いていたという山田。それは「曽利さんが監督だったから」と言い切る。「僕も曽利監督も、パート1を撮影しているときから、原作へのリスペクトがとても強かったので、最後までしっかりと実写化したいという話を、ことあるごとにしていたんです」と山田は切り出すと「撮影から2年ぐらい経っていますが、本当にギリギリまで妥協せずにいいものをつくろうと戦い続けている。それって本当に格好いいですよね」と曽利監督との映画づくりは山田にとって大きな刺激となっているようだ。

 こうした山田や曽利監督の思いは、しっかりとスクリーンに映し出され、隅々にまでこだわりと“ハガレン愛”が感じられる。原作ファンならどうしても期待してしまう『最後の錬成』のクライマックスとなる、エドそっくりの姿になったお父様との戦いの場面では、曽利監督からワンカットワンカット、非常に丁寧に説明をしてもらいながらの撮影だったという。

 そのシーンだけでほぼ1週間撮影は続いた。「特殊メイクをするのにも相当な時間を要するので、撮影の最中はメイクを落とさずに帰って、そのまま、また現場に来るなんてこともありました」と撮影を振り返っていたが、エドとホムンクルスである“お父様”というまったく根底にあるものが違う二人の演じ分けを、エドの目の奥にある希望を忘れない輝き、お父様の支配と怒りのくすんだ目で表現。山田の役への理解度、俳優としての繊細な表現力には脱帽する。

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 山田は曽利監督の姿勢を“戦い”と表現したが、撮影現場では、妥協しない姿勢が続いた。「本当にこの作品は特殊な撮影なんです。グリーンバックでの撮影が多いという物理的な難しさだけではなく、CGという特性上、とにかくカットが細かい。それは俳優にとっては、何度も同じシーンを繰り返し演じるということになるので、正直、感情を乗せる場面などは相当きつい。やっぱり何度も同じ感情に持っていくのは酷ですよね」と山田は撮影を振り返る。

 山田は曽利監督のもと、何度もこうした撮影を経験しているが、初参加となる俳優たちにとってはかなり過酷な撮影になることは、山田自身感じとっていた。だからこそ「初めて参加するキャストの方々には、監督の意図を理解してもらえるように、フォローと言うとおこがましいですが、できる限りのことはしようと思いました」とまさに共闘して作品に臨んだ。「それだけ曽利監督にはついていきたいと思える魅力がありました」と長きに渡ってタッグを組んだ監督への絶大なる信頼を明かす。

 山田の言葉通り、新キャストたちも劇中、素晴らしい演技を見せる。舘ひろし演じるアメストリス軍の大総統キング・ブラッドレイとしての荘厳さ、そしてブラッドレイの裏の顔であるホムンクルスの“ラース”の、まさに“憤怒”といえる圧倒的な存在感と立ち回り、さらにブラッドレイの息子セリムとして可愛らしく、一方ホムンクルスの長兄“プライド”としての狂気さを表現した寺田心の芝居も注目だ。対峙した山田も「心くんがプライド役と聞いたときはピッタリだなと思いました。ダークな心くんは、一緒にお芝居をしていて年下ですが感銘を受けました」と語っていたが、他のホムンクルスとは違う不気味を見事に表現していた。

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 上記以外にも、オリヴィエ・ミラ・アームストロング少将役の栗山千明の凜とした佇まい、メイ・チャン役のロン・モンロウの健気さなど、キャラクターへの理解度、愛情を感じる配役によって、前作以上の没入感が感じられる完結編。「強く生きている人間たちの格好いい勇姿を観て、なにかを感じていただければ」と作品に込めた思いを語った山田。共闘した曽利監督には「CGを使っていない作品でまたご一緒してみたい。そのときどんな撮り方をするのか、とても興味があります」とラブコールを送っていた。(取材・文:磯部正和)

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