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漫画「ベルセルク」森恒二監修で連載再開 三浦建太郎さんが描きたかった物語「ほぼ伝えられる」

「ヤングアニマル12号」掲載される森恒二の氏メッセージ
「ヤングアニマル12号」掲載される森恒二の氏メッセージ

 ヤングアニマル編集部は7日、昨年5月に急性大動脈解離のため亡くなった漫画家・三浦建太郎さんの代表作「ベルセルク」(白泉社)の連載を、6月24日発売のヤングアニマル13号から再開すると発表した。漫画は三浦さんの設立したスタジオ我画が手掛け、三浦さんと親交の深い「ホーリーランド」などの漫画家・森恒二氏が監修を担当する。

 「ベルセルク」は、剣と魔法、魔物が存在する世界を舞台に、主人公・ガッツの壮絶な 復讐の旅を描くダークファンタジー。再開後は「幻造世界篇/妖精島の章」ラストまでの6話分を掲載し、その後は新篇に入る予定。再開後のクレジットは「原作・三浦建太郎 漫画・スタジオ我画 監修・森恒二」となり、単行本のナンバリングも承継される。

 ヤングアニマル編集部は、連載再開に際したメッセージで「三浦建太郎さんは生前、親友である漫画家・森恒二さんに、『ベルセルク』のストーリーやエピソードを話していました。また、スタジオスタッフにも担当編集にも話していました」と明かし、三浦さんが描いた構想メモとキャラクターデザインが見つかったことも発表。「それらをファンの方々の誰にも伝えることなく物語を終わらせることに、強い抵抗感があります。いま我々が持ち寄ったラストエピソード・最後の一コマまでを読んでほしいのです」と再開への思いをつづっている。

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 製作陣の基本姿勢は「三浦さんがそう言っていた」とのこと。「ネームが残っているわけではありませんので、三浦さんが作ろうとしていた原稿を、我々が完璧に形作ることは不可能ですが、三浦さんが話していたことから決して逸脱しないように漫画を構成していきます。三浦さんとの会話や原稿制作を通して自分たちの中に根付いた『三浦建太郎』を真摯に紡ぎたいと考えています。この制作体制こそが三浦さんが思い描いた『ベルセルク』を、拙くても出来るだけ忠実にみなさんに伝えられる方法だと信じています」としている。

 また、監修の森氏は、三浦さんとの「ベルセルク」の思い出を振り返りながら「勘の良い方々は予想していたと思いますが自分は『ベルセルク』の最終回までの物語を知っています。しかし知っているから描けると言うわけではありません。『ベルセルク』と言う偉大な作品は天才三浦建太郎だから描けるのです」と告白。

 三浦さんからは「最終回までのストーリーは森ちゃん以外誰にも話していない」と言われていたといい、自らに課された責任に「インタビューでもしてもらってファンに向けて話せばいいだろうか? それともイラストを付けた文章でも掲載してもらうか...。しかしそれでは三浦が自分に話した情景、ガッツやグリフィスの台詞は伝えきれない...」と苦悩の日々を送っていたという。

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 その後「絶筆した回の原稿をスタッフが最後まで描くと言うので見て欲しい」と言われた森氏は、原稿を見た瞬間を「必死の力と言うのは時に人を奇跡的に向上させます。そこには正に『ベルセルク』の完成原稿がありました」と振り返り、「『森先生、自分達にやらせてもらえないだろうか』三浦自慢の弟子達は真っ直ぐ自分に伝えてくれました。三浦と自分の恩師である島田取締役も『やるなら会社は全力で支える』そう言ってくれました。ここで逃げれば三浦にこう言われるでしょう。『散々話したのにやってくれなかったのかよ!!』わかった。ちゃんとやるよ。皆さんにお断りと約束があります。なるべく詳細を思い出し物語を伝えます」とつづった。

 連載については「三浦が自分に語ったエピソードのみやります。肉付けはしません。はっきり覚えてないエピソードもやりません。三浦が自分に語った台詞、ストーリーのみやります」と決意表明。「当然完全な形にはならないでしょう。しかし三浦が描きたかった物語をほぼ伝えられるとは思います。三浦の弟子達の腕は本物です! 素晴らしい描き手です。三浦不在の『ベルセルク』に不満不服あると思いますがどうか見守っていただきたいと思います。よろしくお願い致します」と呼びかけている。(編集部・入倉功一)

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