『藤枝梅安』豊川悦司、理想の相棒役・片岡愛之助に「付き合いたいぐらい」

　俳優の豊川悦司が26日、都内で行われた映画『仕掛人・藤枝梅安』完成披露試写会に出席。過去に名優たちが演じてきた梅安役に「迷いがあった」と正直な胸の内を明かすと共に、相棒役を務めた片岡愛之助を絶賛した。イベントには片岡、菅野美穂、天海祐希、椎名桔平、佐藤浩市、河毛俊作監督も参加した。

豊川悦司＆片岡愛之助、理想以上のバディ！完成披露フォトギャラリー

　本作は、池波正太郎の時代小説の実写映画版。鍼医者として人の命を救う顔と、悪を葬る仕掛人という二つの顔を持つ・藤枝梅安（豊川）が活躍する姿を描く。

　過去には萬屋錦之介さんや緒形拳さん、田宮二郎さんなどの名優が演じてきた梅安。豊川は「本当に素晴らしい先輩方が演じてきたすごい役。その列に自分が加わっていいのか、自分にどんな梅安像が表現できるのか、正直迷いました」とオファーを受けたときの率直な気持ちを告白する一方で「でも大森（寿美男）先生の脚本が素晴らしかったのと、河毛さんが監督を務めるというのが一番の決め手になりました」と明かす。

　また豊川は、梅安の相棒となる仕掛人・彦次郎を演じる愛之助について「時代物、特に世話物に関してプロフェッショナルであり、映像経験も豊富な俳優さんという人物像を考えたとき、愛之助さんしか思い浮かばなかった」と熱望したことを明かすと「最初スケジュールが厳しそうで実現しないかも……ということになったのですが、うまくやっていただけることになって良かった」と笑顔を見せる。

　豊川のラブコールに愛之助は「恐縮です」と照れくさそうに笑うと「普段歌舞伎をやらせていただいておりますが、時代劇が減っているなか、なんとしてもやりたいと思える作品でした」とスケジュールを調整して参加できたことに安堵したという。

　撮影で豊川に対峙（たいじ）した愛之助は「まさに梅安そのもの。原作では、彦次郎は年上の設定でしたが、この脚本では年下。どんな関係性になるのかなと思っていたのですが、近すぎず、遠すぎずの絶妙な距離感でした」と満足そうな表情を浮かべると、豊川は愛之助に対して「理想を超えていました。付き合いたいぐらい」と熱い視線で見つめる場面も。

　また、梅安が唯一心を許すおもん役を務めた菅野は「お客さんが喜んでしまうような場面もあると思います」と艶やかな場面にも言及。短髪姿の梅安に「原作を読ませていただいたとき、豊川さんの魅力である色気が短髪で出るのかと思ったのですが、とても素敵な色気がありました」と絶賛していた。

　2021年に行われた制作発表の場で「『怖いけれど格好いいな』と思ってもらえるようなヒーロー像を作り上げたいと思っています」と抱負を語っていた豊川は「あのとき皆さんの前でお約束したことが、僕のなかではきちっとできたと思っています」と自信をのぞかせていた。（磯部正和）

映画『仕掛人・藤枝梅安』は2月3日、『仕掛人・藤枝梅安 2』は4月7日より新宿ピカデリーほかで公開