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映画『スラムダンク』続編希望が続出!ネット白熱

劇場に飾られたポスター。
劇場に飾られたポスター。

 漫画家・井上雄彦が自ら監督を務め、自作をアニメ映画化した『THE FIRST SLAM DUNK』。2022年12月3日に封切られた本作は、公開2日間で興行収入12億9,600万円を記録する大ヒットとなった。その後一気にブーム化し、公開67日間で観客動員数687万人を超え、興収100億円の大台を突破した。

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 となると気になるのは、続編の可能性。タイトルに「FIRST」が入ることから、SNS上では「FIRSTというのがめっちゃ気になる。続編頼む」「SECONDにも期待」というような声が多く見られる。これだけのヒット作になったのだから、続編さらにはシリーズ化の待望論が生まれるのは当然のこと。公式の発表は現状ないため憶測&妄想ではあれど、続編の可能性はあるのか? もしあるとしたらどんな話? ネットで白熱している続編を希望する声とともに考えてみたい。

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 そもそも『THE FIRST SLAM DUNK』の企画開発には長い歴史があり、東映アニメーション・松井俊之プロデューサーが井上雄彦サイドに映画化を打診したのは2003年。しかし断られてしまい、2009年に企画書を制作して再アタックし、2014年末に承諾を得て2015年の年初に脚本制作が始まったという。公開までに20年近くの歳月を要しているのだ。

 そして、井上監督の徹底的にこだわり抜いたクリエイション。制作過程を追ったムック「THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE」を参照するとキャラの表情などへの細やかな指示や描き直しが確認できるが、それらに加えて試合中の臨場感を底上げするSE(サウンドエフェクト)、ジャージやユニフォーム、ゴールネットの揺れを自動化する技術の導入など、本作のために追求・開発した点は数多い。

 これだけ時間と体力・根気を要したのだから続編は難しいのでは? という考え方もできるのだが、逆に「だからこそシリーズ化を」「作ったことでノウハウを確立できた」ともいえる。ここまでの成功を収めた&待ちわびているファンも多いという“結果”もあり、次はよりスムーズに、より進化させることができるーー。という作り手魂に火をつける条件がそろっているのではないか。

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 これらはいわばハード面からみた憶測だが、ソフト面でも続編ないしシリーズ化が可能な余地は多い(※以降、『THE FIRST SLAM DUNK』のネタバレを含みます)。

 第一に、本作が「原作の別視点からの物語」であるという構造だ。漫画ないしテレビアニメ版の主人公である桜木花道ではなく、宮城リョータを中心に据え、幻の短編といわれた漫画「ピアス」(1998年に発表)の内容も入れ込む形で、彼の過去と現在を行き来する形で全国大会の山王戦が進んでいった。

 ゲームの別主人公ルートに似た形だが、このフォーマットを活用して“ほかの人物視点の物語”を展開させれば、可能性は無限大。SNS上には、「続編というか別視点というか、とにかくまた映画あるって期待していい!?!?」という声や、「(湘北メンバー)それぞれ主人公にした続編やってほしい!」「三井とか流川とかメインでやってほしい」「流川メインのストーリーになる気がする1人だけまだまだ謎が多い……」「三井、流川、桜木、赤木バージョンもぜひ作ってください」といった具体的な希望が数多く見られる。

 別視点で同じ物語を再構築する場合は焼き直しになってしまうのが懸念ではあるが、『THE FIRST SLAM DUNK』はその落とし穴も回避している。劇中では、宮城単体の幼少期はもちろん、原作エピソードの裏側や、宮城と三井の出会い、宮城と赤木の過去(宮城が1年で赤木が2年だった時代)、宮城と流川の会話等の初出エピソードも描かれており、今後もっと発展、深掘りできる“種”はすでに蒔かれている状態だ。

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 また、物語自体を変えるという可能性もある。今回の舞台だった山王戦ではなく、別の試合にするというアイデアだ。そこで注目したいのは、やはり陵南戦であろう。湘北においては全国行きの切符をつかむためにしのぎを削る最大のライバルであり、人気も非常に高い。作中でも屈指のスタープレイヤー・仙道は『THE FIRST SLAM DUNK』に登場せず(原作の流川と仙道のシーンがカットされている)、「これはひょっとして次作の布石? “温存”なのか?」と妄想を膨らませたファンは少なくない。

 仮に、『THE SECOND SLAM DUNK』は陵南戦! となれば大歓喜の渦になるのは予想でき、『THE FIRST SLAM DUNK』の宮城VS沢北のような形で、仙道と流川の思考や視点が交錯する物語になったとしたら……かなりの破壊力だ。

 あるいは選手側ではなく、桜木の悪友であり良き理解者の水戸洋平を主軸に据えるサブストーリー的な物語も需要があるのではないか。昨今、「名探偵コナン」「東京リベンジャーズ」「ブルーロック」「僕のヒーローアカデミア」「文豪ストレイドッグス」等の人気漫画は小説版だけでなく、スピンオフ漫画も含めたユニバース展開させる流れが加速しており、魅力的なキャラクターがひしめく「スラムダンク」が今後そのルートをたどっても何ら不思議はない。

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 また、『THE FIRST SLAM DUNK』では終盤に宮城と沢北が渡米して再対決する粋なシーンも用意されている。いわば本作オリジナルの“未来”も描かれているわけだが、原作で渡米を目指していた流川やそれに引っ張られる形で名乗りを上げた桜木はどうなの?というのも気になるところ。原作の中では、安西先生の心の傷としてかつて渡米した教え子・谷沢をきちんと導けなかった過去が描かれているが、その後悔を次世代が払拭する物語ががっつり描かれるとしたら想像する時点で涙腺に来るものがある。つまり、「アメリカ編」だ。

 なお、1月26日には「スラムダンク奨学金」を生かして留学した奨学生14人にインタビューした「スラムダンク奨学生インタビュー その先の世界へ」も発売。本著と連動するような形で、バスケの夢を応援する物語が“本家”から放たれるーーという青写真すら描いてしまう。なんにせよ、『THE FIRST SLAM DUNK』に対する熱はまだまだ収まりそうにない。(文・SYO)

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