抜群の演技力＆スター性！注目の“演技ドル”韓ドラ最新作

　歌って踊るだけでなく演技もできるアイドルこと“演技ドル”が活躍する韓国エンタメ界。その演技力はもはやアイドルの域を超え、観る者の心を大きく揺さぶる。今後、待機中の作品も含めて、ネトフリ最新韓国ドラマで存在感を発揮している“演技ドル”たちを紹介しよう。（前田かおり）

【画像】ラブラブなジュノ＆ユナ！「キング・ザ・ランド」場面写真

「キング・ザ・ランド」　イ・ジュノ＆イム・ユナ

　ホテルを舞台に財閥グループの御曹司と、平凡なホテル従業員が身分違いの恋に落ちる。王道ラブコメで、ありがちなストーリーと言われたが、蓋を開ければ、週間グローバルトップ10のテレビ・非英語部門で1位を獲得するなど世界的にも大ヒットを記録した。その人気の理由は人気演技ドル同士の共演にある。財閥御曹司役を務めたイ・ジュノは2PMのメンバーで、俳優としては映画『監視者たち』（2013）でデビュー。ドラマは名優ナム・グンミン相手にブロマンスを披露した「キム課長とソ理事　～Bravo! Your Life～」に、「ただ愛する仲」「油っこいロマンス」「自白」と出演を重ね、除隊後復帰作として挑んだ初の時代劇「赤い袖先」はアジア中で一大ブームに。同作では、第58回百想芸術大賞テレビ部門・最優秀演技賞を受賞した。そして、この「キング・ザ・ランド」の成功と、俳優として絶好調だ。

　一方、イム・ユナは2007年に少女時代のメンバーとしてデビューし、“少女時代の顔”として活躍。ドラマ「君は僕の運命」「王は愛する」や、チャン・グンソクと共演した「ラブレイン」は映画化もされるなど、女優として様々なジャンルにチャレンジ。高層ビルを舞台にしたサバイバルパニック映画『EXIT』（2018）では、アクションもこなし、韓国で大ヒットを記録した。今後、日本で9月22日から公開の『コンフィデンシャル：国際共助捜査』に出演。同作は2017年に韓国で公開された大ヒット作『コンフィデンシャル／共助』の続編で、ヒョンビン扮する北朝鮮の特殊捜査員とタッグを組む韓国の刑事（ユ・ヘジン扮する）の義妹役で登場。前作より役どころがパワーアップし、コメディエンヌぶりを発揮。劇中では見事なダンスシーンも披露している。

「ヒップタッチの女王」　スホ

　のどかな田舎町である日突然、人や動物のお尻を触ると、その過去が見えるという超能力を得た獣医のポン・イェブン（ハン・ジミン）が、ソウルから左遷されてきた刑事ムン・ジャンヨル（イ・ミンギ）とさまざま事件に挑む。奇想天外なコメディータッチのミステリーで、主人公イェブンが一目惚れするコンビニの店員キム・ソヌを演じるスホ。2012年にEXOのリーダーとしてデビューした彼は、ミュージカルや映画、またドラマ「リッチマン　～嘘つきは恋の始まり～」などに出演してきた。本作ではクセの強いキャラばかりの中で、色白で優しい笑顔の彼は唯一まともそうに見える。ところが、それが妙に引っかかるという謎めいた役どころ。今後の展開でどう転ぶのか、それをどう演じていくのか楽しみな存在だ。

「マスクガール」　ナナ

　容姿に劣等感を持つ女性が仮面をかぶって人気ライブ配信者になったことから始まる「マスクガール」。主人公のキム・モミを3人の俳優が演じているが、美容整形をして、ショーガールのアルムとして生きる姿を演じるのがナナ。AFTERSCHOOLのメンバーの彼女は、米映画批評サイト・TC Candlerが毎年発表する“世界でもっとも美しい顔100人”の常連で、2014年、2015年には連続1位に輝いたこともあり、外見で注目されがち。だが、2016年のドラマ「グッドワイフ　～彼女の決断～」での法律事務所の調査員役で、女優としての可能性を高く評価され、さまざまなジャンルに挑戦。「Oh！ご主人様～恋ができない僕とカノジョの同居生活～」でコメディエンヌぶりを披露しているほか、Netflixシリーズの「グリッチ －青い閃光の記憶－」や近作の映画『告白、あるいは完璧な弁護』など、女優としてのポテンシャルの高さを感じさせている。

「この恋は不可抗力」　ロウン

　8月24日から配信が始まった「この恋は不可抗力」で主演のロウン。SF9のメンバーでもある彼は、甘いマスクと190cm近い高身長を武器に女性視聴者の心をわしづかみにしてきた。「先輩、その口紅塗らないで」皮切りに、「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」のパク・ウンビンと繰り広げたロマンス史劇の「恋慕」、あの世で自殺願望者を救う異色のファンタジードラマ「明日」でも人気を獲得。本作では頭脳も容姿も恵まれたエリート弁護士ながら、先祖代々伝わる呪いに悩まされている。そんな彼が、呪いを解く鍵を握る市役所職員イ・ホンジョ（チョ・ボア）と出会ったことから始まるラブストーリー。役作りのため8kg減量し、精悍さもアップしたロウン。ロマコメキングとしての地位をモノにできる!?

「剣の詩」　ソヒョン

　9月22日から配信予定の「剣の詩」は、1920年、中国の無法地帯・間島（カンド）を舞台に大切な人々を守るために義賊になった主人公イ・ユン（キム・ナムギル）を中心に描くアクション・アドベンチャー。その中でソヒョンは女性独立運動家ナム・ヒシン役に抜擢されている。ソヒョンは少女時代の末っ子として親しまれ、女優としては2013年の「熱愛」でデビューを飾った。その後、「恋する泥棒　～あなたのハート、盗みます～」や「モラルセンス ～君はご主人様～ 」「ジンクスの恋人」など、アイドルから女優業に着実にシフトした。今後はSF映画『王を探して』でク・ギョファンと共演することが決まっているなど大きな飛躍が期待される。

「イ・ドゥナ！」　スジ

　10月～12月（第4四半期）配信予定の「イ・ドゥナ！」はウェブトゥーン原作のラブコメディー。突然引退したアイドルが大学に復学し、シェアハウスで平凡な男子学生と同居することになり……。主人公のイ・ドゥナ役のスジは、2017年に解散したmiss Aのメンバー。2011年に女優デビューを飾った「ドリームハイ」も、アイドルやスターを目指す芸能専門学校が舞台の青春ドラマ（今や韓国エンタメ界を担うIU（イ・ジウン）、キム・スヒョン、2PMのテギョンも出演）だった。その後、2012年の映画『建築学概論』のヒロインを務めて“国民の初恋”と呼ばれるように。ドラマ「あなたが眠っている間に」「Vagabond／バカボンド」などの話題作でのヒロインを経て、「スタート・アップ：夢の扉」では世界的にも注目された。今や女性演技ドルの中でも代表的存在だけに、新作「イ・ドゥナ！」への期待も大きい。

「イカゲーム」シーズン2　イム・シワン、チェ・スンヒョン、チョ・ユリ

　2024年配信予定の「イカゲーム」シーズン2。内容は明らかではないが、発表されたキャストには人気演技ドルたちの名も。その一人が演技ドルの中でも最も成功したと言われるイム・シワンだ。9人組ボーイズグループZE:Aのメンバーとしてデビュー後、2012年、日本でも大ヒットした「太陽を抱く月」で、当時24歳ながら童顔を生かした子役として俳優デビューを飾った。名作の誉れ高い「ミセン -未生-」で一躍、時の人になり、「他人は地獄だ」「それでも僕らは走り続ける」など着実にキャリアアップ。近年は映画『非常宣言』、韓国版『スマホを落としただけなのに』で見せた悪役演技が話題に。「イカゲーム」シーズン2では善人か悪役か、果たしてどちらの顔で楽しませてくれるのか、期待が高まる。

　そのほか、2010年の映画『戦火の中へ』で韓国のアカデミー賞とも言われる“青龍映画賞”の新人男優賞を受賞した、元BIGBANGのT.O.Pことチェ・スンヒョンや、アイドルグループIZ*ONEの元メンバーで、芸術高校を舞台にした青春ドラマ「MIMICUS」や「酒飲みな都会の女たち2」などで女優としての評価を得ているチョ・ユリも参戦。キャストの顔ぶれも何もかもパワーアップした新シーズンに注目したい。