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種崎敦美、アーニャ人気に泣きそうになる瞬間も 「収録では毎回バクバク」

『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』より種崎演じるアーニャ
『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』より種崎演じるアーニャ - (C) 2023「劇場版 SPY×FAMILY」製作委員会 (C) 遠藤達哉/集英社

 遠藤達哉の同名漫画をテレビアニメ化した『SPY×FAMILY』(毎週土曜23:00よりテレビ東京系列ほかで放送中)で、他人の心が読める超能力少女アーニャ・フォージャーを演じる種崎敦美(※崎は「たつさき」が正式表記)。作品の人気を牽引するアーニャの可愛らしさは声の魅力も大きく、他作品も含めた声優としての大活躍と相まって、今年は種崎自身が注目される機会も多かった。そんな2023年を締め括るような、シリーズ初の映画版『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』(12月22日公開)を前に、大人気キャラを演じること、自身が注目されることへの複雑な心中を明かした。

【画像】白コーデの江口拓也×種崎敦美×松田健一郎が生アフレコ!

 テレビアニメは2022年4月からスタートし、現在はSeason 2を放送中。種崎演じるアーニャは、とある組織の実験で偶然に超能力を得て、施設にいたところを、東西の戦争を回避する特殊任務のため仮初めの偽装家族を作ろうとしていた精神科医ロイド・フォージャーにふんした西国情報局〈WISE〉の敏腕諜報員〈黄昏〉に引き取られた。オーディションを経て選ばれたアーニャの役づくりについては、初期に母音まで発音することを意識しているといった発言もしていたが「それは最初の頃だけで、今は考えずに演じています。自然と今のアーニャになっていったので、具体的な役づくりはあまりないんです」と原作を読んだり、演じながら作り上げていったものだという。役を掴んだ時期の実感もないようだが、無意識の変化に気付くことはあったそう。

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 「公式のXで映画宣伝用のアーニャの動画が流れていたんです。それは初期から最近の声までが入り交じった名場面のような動画だったのですが、初期は“声がよそ行きだな”“声高っ!”と思って(笑)。自分としては変えているつもりはないのに、全然違っていたんです。初期はフォージャー家に来たばかりで、いつこの家族が無くなるかわからない不安が声に表れていたのかなと。ただ、自然とそうなっていったので、最近はいい意味で、アーニャに家族への遠慮がなくなってきたからなのかなとも思いました」

 また今春に上演されたミュージカル版を観て思うこともあったようで、「アーニャの実年齢に近い子役の方々が演じているのを拝見して、またミュージカル版で初期からの物語を振り返ったことで、あらためて“アーニャって、こんな境遇だったんだ”と。忘れてはいけないのは、元々のアーニャの境遇と子供らしさ。アーニャがフォージャー家にいることに慣れてきたゆえか、コミカルなシーンが増えているけれど、舞台版で純粋な子供の姿を客観的に観られたおかげで、“忘れてないか自分?”“一番大事なのはここだった!”と思い直しました」と振り返る。

江口拓也演じる“ちち”ロイド

 また、家族の物語だけに、“ちち”ロイド役の江口拓也、“はは”ヨル役の早見沙織、番犬ボンド役の松田健一郎との芝居で引き出されるものも多い。江口については「アーニャから何が出てくるのかワクワクしてくれて、わたしがどう演じても受け止めて返すぞと思ってくださっているのがわかるので、恐れることなくあまり考えず演じることができ、安心感があります」という。早見については、Season 2の「豪華客船編」で「劇中で別行動のははとはアフレコも別でした。そのためずっとちち役の江口さんと2人で収録していたんですけど、ははの任務が終わって早見さんが収録に合流された時に泣きそうになったんです。そこで“おー、ははだあ!”“心強いなぁ”と、無意識にちちとはまた違う安心感があること、本当にははだと感じていることにも気付きました」とのこと。さらに松田については「アーニャとボンドは同じ目線というか、犬なのに時にはアーニャ以上のいろんな表情、表現を見せてくださるから楽しいですし、負けてられないっ! と、とても刺激になります」とまさに家族のような一体感が窺える。

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アーニャ、ボンド(声:松田健一郎)、ヨル(声:早見沙織)

 初の劇場版について、アーニャ役のポイントとして挙げるのは「『我慢』ですね」と種崎。「本当はちちにそばにいてほしいけど言い出せないとか、それ以外にも、『子供らしい我慢』がたくさん見られる」とのこと。アーニャは世界平和を揺るがす重大なカギを握ることになるが、「映画の全編でピンチに陥っているので、アフレコは体力勝負という感じで、たくさん降りかかるピンチの波に緩急をつけながら演じるのが大変でした(笑)」とも。

 アフレコ台本には「種崎さんの演技案におまかせ」と書かれたシーンもあり、「これまでもアドリブはたくさんありましたが、“おまかせ”と書かれていたのは初めて(笑)。信頼していただけて嬉しいし、頑張らないといけないな」と気合いを入れた。「アーニャは比較的アドリブ芝居がやりやすいキャラクターだと思いますが、言葉は慎重に選んでいます。ちゃんと面白くしたいし、わたしのせいでアーニャを滑らせるわけにはいきません!」とキャラクターへの愛情は深い。クライマックスシーンでも、これまでのシリーズにはなかった展開も見られるという。

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 シリーズの反響の大きさには“すごいなぁ”と感じつつもどこか他人事のようだったそうだが、Season2で本格的に再演することになった時、その人気ぶりを実感。さらには街中にアーニャの商品や作品の広告などがあふれている現状は、平常心でいようと思っても意識せざるを得ないそう。

 「例えば事務所のスタッフさんに『SPY×FAMILY』を大好きな方がいて、事務所に行く度にアーニャのグッズやタイアップ商品を買ったことを楽しそうに報告してくれる姿を見ると、人生の楽しみや支えにしてくださっている方々がたくさんいらっしゃるんだなと、泣きそうになるんです」とファンの愛が励みになる一方で、「どのキャラクターも同じように大事に演じさせていただいていますが、アーニャの愛され具合が予想以上すぎて、ものすごいプレッシャーもあり、収録では心臓が毎回バクバクしてヤバいです(笑)」と苦労も多いようだ。

 今年は放送中の「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」や公開中の映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』など話題作への出演や大役を演じる機会も一層増え、第十七回声優アワードでは史上初の主演と助演の声優賞をダブル受賞するなど躍進の1年だったが、本人はどう感じているのか。

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 「以前と同じようにお仕事をしてきたら、なぜかありがたいことになっていて……(苦笑)。でも『いろんなことがあった特別な年だった』なんて思ったら、この先、自分が潰れて何もできなくなってしまいそうなので、あまり意識したくないんです。受賞もおこがましいのでお断りすることも考えましたが、あくまで受賞対象となった作品やそのスタッフさんがすごいのだとお伝えしたくて、作品賞のつもりでいただきました。こういう取材や作品のイベントなどで自分自身がお話させていただく機会も増えていますが、“あれ、わたしってこんな人間だっけ?”と混乱もしていて……。本当はわたしが演じていることなど考えず、純粋に作品を楽しんでいただきたいなと思っています」と駆け抜けた1年を振り返っていた。(取材・文:天本伸一郎)

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