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「光る君へ」柄本道長の“うっ!”となる色香 2度目タッグの大石静「凄い役者」

第2回「めぐりあい」より柄本佑演じる藤原道長
第2回「めぐりあい」より柄本佑演じる藤原道長 - (C)NHK

 吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)で、まひろとソウルメイトのような分かちがたい絆を育んでいく藤原道長を演じるのが、柄本佑だ。2020年放送のドラマ「知らなくていいコト」に続いて2度目のタッグを組む脚本家の大石静が、本作で目指す道長像や柄本の魅力を語った。

【画像】女性をとりこにした“尾高さん”

 本作は、平安中期に、のちに世界最古の女性文学といわれる「源氏物語」を生み出した紫式部(まひろ)の人生を描くストーリー。武家台頭の時代を目前にしたきらびやかな貴族社会を舞台に、懸命に生きて書いて愛した女性の一生に迫る。大石と吉高、柄本は「知らなくていいコト」でも組んでいるが、とりわけ柄本演じるカメラマンの“尾高さん”にハマる視聴者が続出し、最終回放送後はロスの声が相次いだ。

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 柄本はエキセントリックなキャラクターを演じることが多かったため、いわゆる二枚目のイメージは想像しづらかったが、驚くほどのハマりように衝撃を受けたと大石は話す。

 「柄本さんはデビューした頃からどちらかというとクレイジーな役が多くて、いわゆる二の線に分類される方ではないですが、名優という印象でした。「知らなくていいコト」でも、役柄を演じると、なんて言うんですか、もうすれ違うだけで“うっ!”ってなっちゃうぐらい素敵で、女性スタッフもみんなうっとりみたいな感じでした。悪役も、イイ男もさらりと演じてしまう柄本さんに、今回、道長をやってほしいと」

 実際に柄本が演じた道長を観るなり、その時々で見せる顔の変化にくぎづけになったと大石。「最初のころは“この人どうなるの?”っていう感じでぼーっとしていることもあるのですが、状況が激変していくなかであっという間に頂点に立ってしまう。そういった変わり目がこれから度々出てきます。 加えて、まひろに“お前は一体誰なんだ”と話す際のセクシーさ。ここで二枚目っぽく見せ、ここでとぼけてと、おそらくかなり計算して演じていると思います。台本上でも表現してはいるけど、それ以上に考えていると思う。すごい役者だと思う」と惜しみない賛辞を贈る。

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 なお、初回では少年時代の三郎がまひろに“怒るのは嫌いだから”と話すシーンがあるが、このセリフは道長を象徴するセリフでもあるという。

 「道長には『この世をば…』(この世をばわが世とぞ思う望月の欠けたることもなしと思えば)の歌があって、その歌から大変傲慢な独裁政治を行ったような印象で知られていますけど、時代考証の倉本一宏先生は決してそうではないと。 レベルの高い政治が行われ、災害時には庶民のための助け小屋が作られたりしている。足りないところもあったのかもしれないけれど、そういう意識が高い政治をやっていた。400年にわたって戦のない、 話し合いによって物事を解決していくっていう、今の私たちだって考えていかなきゃいけないことをやっていたわけです。少年時代に“俺は怒るのは嫌いだから”って言うんですけど、それが道長の政治の根本。例えば天皇だけが力を持たないように、自分も権力を持って天皇の過ちも諫められるようにする姿勢とか、日本の長い歴史の中でも優秀な政治家の一人。だから私は、道長をバランス取ることが上手で、みなの気持ちもすくいあげながらやってきた優れた政治家として描き、同時に平安時代の認識も改めたいと思います」

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 道長を優れた政治家としながら、クランクイン前に京都にある歴史資料保存施設「公益財団法人 陽明文庫」を訪れた際には、意外な一面も垣間見えたのだとか。

 「字が下手なんですよね。そこが可愛いんです。だって時の権力者が書いたり、消したり、こっちを引っ張り出して書いたり……って(笑)、そういうところもいとおしいと思いました。私が一番ゾクッとしたのは道長のお墓参りをした時です。知る人ぞ知るお墓が京都の外れの住宅地にあって。そこだけぽこっと古墳みたいな盛りになっていて、鍵がかかっているんです。柄本さんはその時まだ出演が決まっていなかったので吉高さんと私、スタッフで伺ったんですけど、そのとき道長に“この作品を書け!”と言われている気がしました」と創作欲を掻き立てられている様子だった。(編集部・石井百合子)

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