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『ゴールデンカムイ』牛山役・勝矢、役づくりで20キロ減量 特殊メイクで“不敗神話”宿す

勝矢
勝矢 - (C)野田サトル/集英社 (C)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

 野田サトルの累計発行部数2,700万部を突破する人気漫画を実写化した映画『ゴールデンカムイ』が公開となり、原作の熱気と迫力を見事に映し出した内容に絶賛の声が上がっている。役者陣が躍動感たっぷりに各キャラクターを演じているが、その中でも「原作から飛び出してきたよう!」と話題になっている一人が、“不敗の牛山”と呼ばれる柔道の達人、牛山辰馬にふんした勝矢だ。もともと原作ファンで、「牛山は一番好きなキャラクターだった」という勝矢が「おでこだけではなく、耳も特殊メイクをしています」という特殊メイクの秘密や、“不敗”の精神を宿した理由について、牛山への愛情たっぷりに語った。

【画像】キャラの再現度凄っ!『ゴールデンカムイ』

役づくりで20キロ減量の肉体改造も

映画『ゴールデンカムイ』より。勝矢演じる牛山辰馬 (C)野田サトル/集英社 (C)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

 本作の舞台となるのは、激動の明治末期の北海道。日露戦争に従軍した元軍人の杉元佐一(山崎賢人※「崎」はたつさき)が、24人の囚人の身体に刻まれた、埋蔵金のありかを記した“刺青人皮(いれずみにんぴ)”を巡って、脱獄囚や歴戦の猛者など一癖も二癖もある個性的なキャラクターたちと争奪戦を繰り広げる。

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 原作のキャラクターの中でも、とりわけ牛山が大好きだったという勝矢。本作が実写化されるというニュースを聞きつけ、他の作品の撮影現場でも「牛山やらせてくれないかな」と話していたのだとか。その直後に本当にオファーが舞い込み、勝矢は「マジか……と。実際に演じるとなると、どうすればいいんだと逆にプレッシャーになってしまって」と苦笑い。そこまで愛情を傾ける牛山について、どのような魅力を感じているのだろうか。

  「多くを語らず、行動だけで自分を磨いていく。信念を貫いて、精神も肉体も強さを追求しているところに、男として憧れます。それでいて優しくて、ユニークで」と、とびきりかっこいいのが牛山だと語りつつ、「僕自身、牛山の女性好きな面にも共感しますし、ご飯をバクバク食べるのも、豪快に酒を飲んで酔っ払うのも好き。牛山が強さを追求しているように、僕も一つのことを追求していくことが好き」とシンパシーを寄せる部分も多数。楽しそうに語る姿からも、キャラクターへの愛情がひしひしと伝わってくる。

 牛山を演じることになり、「できるだけ牛山に近づきたい」とまずは体づくりに励んだという勝矢。「当時135キロくらいあった体重を、筋トレをして115キロまで落としました。牛山を演じるには、太ったおじさんではダメですから。全身を鍛えるようにしていましたが、ベンチプレスでいうと、やり始めた頃は120キロくらいしか上がらなかったのが、137キロまで上げられるようになりました。でも牛山はそんなレベルではないので……。演じるとなると、とても努力が追いつかない!」とタジタジになりながらも、「知り合いの柔道家を訪れて柔道を教わったりもしました。打ち込みの形など、“こういう動きは柔道家としておかしい”というものを知ることが大事だったように思います」と憧れを胸に、できることは何でもやるという精神で役柄と向き合った。

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特殊メイクで宿した“不敗神話”

牛山(勝矢)と白石(矢本悠馬) (C)野田サトル/集英社 (C)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

 牛山は額の四角いコブがトレードマークで、スーツ姿で暴れまくるキャラクターだ。インパクト大のビジュアルにも、こだわりがたっぷり込められている。勝矢は「衣装の宮本まさ江さんは、見た目もよくて、役者がアクションをする際にもまったく動きを制限しないものを作ってくださる」とスーツの出来栄えにも惚れ惚れ。

 そしてはんぺんのような額のコブについては、「見えている部分が僕のおでこというわけではないんです。眉毛の上からすっぽりと覆うように特殊メイクを施しています」とのこと。原作では“五寸釘を通さないほど頑丈なコブ”と言われているが、特殊メイクのコブは「気持ちいい柔さです。そうでないと、おでこや目を動かした時に不自然な動きになってしまうんですね。僕の表情を殺さないように、“ナチュラルに肉体の一部として動くもの”を追求していただいています」。さらに、耳も特殊メイクで作られているのだとか。「“柔道をやってきた人の耳”を作っていただき、それをつけています。皆さん、おでこは特殊メイクだと気づくんですが、耳についてはなかなか言われなくて。『最初から耳が潰れている人をキャスティングしているんだ』と思うようですね(笑)。特殊メイクだと感じさせないものを、特殊メイクで作る贅沢さ。すばらしいですよね」と声を弾ませる。

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 「僕が一番メイクに時間がかかっているかもしれません」という特殊メイクは毎回1~2時間ほどかかるそうだが、スーツを着て特殊メイクを施すと「何にでも勝てる気がした」と牛山の“不敗神話”まで身につけられた気分だったと明かす。

 「例えば“振り向く”という動き一つでも、“俺は牛山だ”と納得できるような衣装とメイクでした。セットもすばらしく、僕は衣装と特殊メイクをつけて、気持ちだけをそこに持って行けば『ゴールデンカムイ』の世界に入れるようでした」としみじみ。「牛山が、矢本(悠馬)くん演じる(脱獄犯の)白石を追いかけて捕まえるシーンがあります。そこで僕は“全力で走っていいよ。追いつけると思う”と矢本くんに言ったんですが、始まってみたら全然追いつけなかった(笑)! あの衣装と特殊メイクをつけると、何でもできるような気持ちになっちゃうんですよね」と大笑いする。

原作の牛山の思いを引き継ぐように演じた

 “脱獄王”の異名をとる、すばしっこい白石を追いかけ爆走する場面は、牛山のハイライトとも言えるシーンともなっているが、白目で駆ける様子、腕の振り方なども、原作から飛び出してきたよう。勝矢は「僕の大好きな牛山のイメージ。みんなが持っているであろう、キャラクターのイメージを感じながら演じていました」とにっこり。「(久保茂昭)監督からは『もうちょっと白目が欲しい』と言われて。細い路地を走っていますが、白目で走っていると何も見えないんですね(笑)。でもそこも牛山効果で、“何かにぶつかっても、走り続ければいいや”“何でもできる”と思い切っていくことができました」と清々しい表情。

 これまでにも勝矢は、映画『あしたのジョー』(2011)のマンモス西(西寛一)、『テルマエ・ロマエ』シリーズ(2012・2014)のマルクス・ピエトラス役など、漫画原作の実写化作品で印象に残るキャラクターを演じてきた。常に大切にしているのが、「原作ファンをがっかりさせないこと」だという。「それは役者だけではできないこと。脚本やセットなどスタッフすべてがそういった思いを持って、同じ方向に向かっていないといけない。とても難しいことだと思います」と思いを巡らせながら、「何よりもキャラクターの“生きざま”が偽物だったら、映画自体が偽物になってしまう。演じる側としては、キャラクターの生きざまや佇まい、匂いまでを届けたいと思っています」と意欲をにじませる。

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 原作の再現度を称えられている本作について、「久保茂昭監督も『ゴールデンカムイ』のオタク。ディテールにもこだわった監督の執念が込められている。冒頭の二〇三高地のシーンを観た時に“すごいぞ!”と感じて、さらにそこからどんどん面白さが上がり続けていくので“ヤバい! すごいものができている!”と思った」と熱弁をふるう勝矢。原作を読み終えて号泣し、「勝手に牛山の思いを引き継ぐようにして演じた」というが、「これから先の牛山ももちろん演じたいです!」と鼻息を荒くしていた。(取材・撮影・文:成田おり枝)

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