コミコンで無理やり働かされ…搾取されるマーベル巨匠スタン・リーの最後の4年に迫るドキュメンタリー

「X-MEN」「スパイダーマン」など数々のマーベルコミックスの原作を手掛け、マーベル映画へのカメオ出演でも知られたアメコミ界の巨匠スタン・リーさん。2018年に95歳で亡くなるまでの最後の4年間に迫ったドキュメンタリー映画『スタン・リー:ザ・ファイナル・イヤーズ(原題) / Stan Lee: The Final Years』の制作が進行中だ。
手掛けているのは、スタンさんの最後の4年間、彼のアシスタントを務め、友人でもあったというジョン・ブロージャック。スタンさんと世界を旅してレジェンドのキャリアの輝きを見るとともに、年老いてから取り巻きに搾取され、裏切られ、財産をコントロールされるといった“心を引き裂かれるようなもの”も多く目の当たりにしてきたという。
当時はそれを止める力がなかったが、カメラを回してそのすべてを記録していたというブロージャック。映画を完成させるために、資金提供を呼び掛けている。公開された映像では、ぐったりしているのにもかかわらず、お金のためにコミコンで写真を撮らされ続けたり、サインを書かされ続けたり、あげくの果てに乱暴に扱われるスタンさんの痛ましい姿も映し出される。映画にはその目撃者たちや、ロイ・トーマスやロブ・ライフェルドといったマーベルコミックスのクリエイターたちのインタビューも含まれている。
スタンさんに関しては、生前の2018年、高齢者虐待を受けていると The Hollywood Reporter が報じたこともある。スタンさんの死後、彼の遺産管理団体は元弁護士に対して訴訟を起こしたが、時効などとして2023年に敗訴した。(編集部・市川遥)